2008-05-04(Sun)

天狗様の仕業じゃ

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東京・高尾。

ミシュランガイドで何故か三ツ星観光地となっていた高尾山。ここは嫁実家に近い。

「ぜひいらしてはどうですか」

と嫁両親が僕の母を誘ったので一族郎党で出かけることになった。

出かける時は生憎小雨が落ちていていたが、現地の駅に到着した時には雨は上がってい、持ち直しそうな気配。

「俺は晴れ男だからさー、止むと思ってたんだ」

駅で合流した嫁父が得意気に言った。ところがケーブルカーで登ってみると山の上は思いっきり雨ザーザー。娘・R(4才)と息子・タク(2才)は雨イヤーと暴れてギャーギャー。僕はケツ毛ボーボー。

嫁父の晴れ男効果を打ち消したのはRであろう。Rは台風上陸の晩に生まれた「嵐の女」。嫁父が「晴れ男」と口にしたからにはRの効果も出てしまったに違いない。

ケーブルカーを降りてすぐにあった「十一丁目茶屋」というお茶屋さんでひとまず雨が上がるのを待つが、一向にその気配はない。十一丁目どころか地獄の一丁目のような荒れ具合になってきた。退屈なので子供たちと他愛のないことを喋る。

「この山はな、天狗さんがいるんだよ」

「てんぐ?てんぐー!グーグーググーグコォー!」

しまった。エド・はるみを発動させてしまった。嫁父・嫁母にはこれだけは見せまいと思っていたのに…。

「お前らお笑い番組見せすぎだー!」

ふたりとも大爆笑。言い訳がましいが、2、3回しか見せてない。それなのにアンキパンを食ったかのように丸覚えしてしまったのである。

結局山頂を目指すことなくそのまま下山。

「こんどはどこいくのー?」

僕らはどうでもいいが、体力を持て余した子供たちをどこかで遊ばせなければ可愛そうであった。遊びたがりの欲求を、ヒマを持て余した有閑マダムの如くムラムラと溜め込んだ状態はあまりにも危険。

「雨でも遊べるところないかなあ」

「じゃあショッピングセンターのキッズコーナーでも行くかい」

ということで、高尾から車で30分ほどの巨大SCに連れて行ってもらった。巨大な売り場を探し回っていると、なるほどキッズコーナーらしきスペースがあった。しかし遊具も何もなく、がらーんとしている。そこには一枚の張り紙が残されており

「4月29日で営業終了しました」

ガビーン。

「どうすっか」(僕)

「どうすんべ」(母)

「あたしキハチのソフトクリーム食べたい」(既に目移りしてる嫁)

山は雨だわ街は不景気だわ踏んだりけったりのゴールデンウィークになってしまった。

東京・高尾…。

東京・タカオ。

来年のGWは香港・マカオぐらいにしたいものである。

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2008-05-03(Sat)

オムカエデゴンス

息子・タクの引率の次は娘・R(4才)の幼稚園のお迎えである。

過去僕が迎えに行ったことはほんの2、3回しかないので緊張感が高まった。保護者証明証を身に付けているがそれだけでは不安で、不審者扱いされやしないかとビクビクと幼稚園の門をくぐると、

「あ、こんにちは」

Rのクラスメイトのママさんを見つけようやく緊張が少し緩む。

「せんせいさようなら!みなさんさようなら!」

どうやら授業が終わったらしく、教室から終わりの挨拶が聞こえてきてノスタルジックな気持ちに包まれた。僕もよく

「先生さよおならブー」

とかやったものである。

やがて教室から続々と園児達が出てきた。へたすりゃ22世紀まで生き残っているであろう小羊達の群れ。おじさんには眩しすぎる。

Rはひときわ小さいので群れに埋もれて顔も見えないだろうなあ…と探していたら、Rの仲良しモナちゃんの後ろに、帽子だけが見える小さな姿があった。あれがRに違いないとその帽子の動きを追っていたらようやく顔が見えた。やはりRだった。

「パーパー!」

目が会った途端、パッとこの上ないくらい眩しい笑顔に変わり、飛んで来てくれた。Rのこの全身で喜ぶさまは父親冥利に尽きる。多分一生忘れないだろう。将来ボケてからも

「わしがRを迎えに行ったらな…そりゃもうすごい笑顔でな…」

と毎日言ってそうな気がする。それだけ嬉しかった。

帰る前に少し幼稚園の園庭で遊んでいると

「ねえねえRちゃんのパパ!みてみて!」

Rの友達みっちゃんが僕を呼ぶ。こっち来て!と逆ナンされたので付いていくと、そこは鉄棒。

「わたし、さかあがりできるんだよ!」

くるりと見事な逆上がりを見せてくれた。スカートの制服だからパンツ丸出しで。第三者が見たら

「不審な男、幼稚園に侵入し幼女をたぶらかしパンツ鑑賞」

などと思われないだろうかとちょっと心配。しかし逆上がり自体はとりあえず凄い。Rは鉄棒やその他器械体操はことごとくトロい。でんぐり返しすら出来ないのである。僕はまんぐり返しが得意だというのに。

「すごいね〜。いっぱい練習したの?」

「パパと練習して出来るようになったの」

「そうか。みっちゃんは偉いなあ」

みっちゃんが得意気にクルクルと回る様子をRはボーっと見ていた。なんというかこう、ライバル心というか、みっちゃんが出来るなら私も!という向上心があればRの上達も早いのに。Rにはそういう負けん気がないのだろうかと思い、聞いてみた。

「Rちゃん、君もみっちゃんみたいに出来るように練習してみる?」

「いやーん」

皆無だった。

「パパ、コレ持ってて!」

その後Rは僕に帽子やカバン、全ての荷物を僕に押し付け気が済むまで遊び倒したのであった。その間僕はただひたすら門で立って待つ。なんかヒデ爺になった気分であった。およそお迎えというのはこのようなものなのであろうが…。

立ってるものは親でも迎え。なんつって。

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2008-05-02(Fri)

世界一見たい授業

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息子の晴れ姿を見てみたい。

性的な意味での息子の腫れ姿は毎日見ていてまいっちんぐなのだが、今日は仕事が休みなので息子・タク(2才)の未就園児教室に僕が連れて行くことにした。しかし嫁が顔を曇らせていた。

「僕だと不安か」

「タク、まだ慣れてないからみんなで歌う時になると嫌がって『だっこしてぇ!』って泣くよ」

「聞いてるよ。いいよそれぐらい」

「それに引率してるのママばっかりだよ。パパなんていないよ」

これにはちょっと躊躇したが、タクの授業風景を見てみたいのである。

「いいよそれでも。じゃR、タク、行こうか」

娘・R(4才)を幼稚園に送った後にタクの授業なので、連れて行こうとしたところ

「ちょっと待って。やっぱり私も最初だけ行くわ」

結局一家総出となってしまった。大袈裟過ぎる。更に幼稚園に着くと嫁が先生に

「今日はオヤジが付き添いなのでよろしくお願いします」

と断りを入れているありさま。

「あ、どうも、オヤジです」

僕もつられて挨拶してしまったが、何この「一見不審者ですが一応身内です」的な念の入れ方。もしくは初めてのお使い的な扱い。そんなに僕は怪しいOR頼りないのか。それともその両方なのか。

タク
授業直前、ちょっと緊張しているタク。

ようやく嫁が帰って授業開始。タクが泣いたりしたら速やかにフォローせねば…と思っていたら、授業の冒頭で

「今日はなんとパパさんがいます!」

といきなり先生に振られて他の人妻達の大注目を浴びてしまった。タクより先に僕が泣きたくなって来た。当のタクはというと、嫁が「泣くから」と言っていた「みんなで手を繋いで歌」も普通に出来ていたし、名前を呼ばれれば元気に返事するし、

「これは何かな?」

先生が犬の写真を見せた時は、他の子が「わんわん」と言っている一方で

「ちがうよ。わんわんじゃないよ。いぬだよ」

と生意気なことをぬかしやがっていて、タクも逞しく育ったものよ…と余裕をを持って眺めることが出来た。ここまでは。悪夢が訪れたのは工作に移った時である。

「今日は鯉のぼりを作りましょう!」

画用紙に折り紙を貼って鯉のぼりを作りましょうと先生が言う。

「みんな、糊はあるかな?」

「ぱぱ、のりだって」

「はいよ」

道具箱から糊を出してやった。今日のポイントは糊の使い方であるらしい。授業で初めて使うため、糊は紙をくっつけるものです、食べちゃいけませんと丁寧に説明をしていた。それから先生は糊の蓋を開けて指を突っ込み見本を見せた。

「こうして指に糊をつけます。みんなもやってごらん。触るとグチャグチャして気持ちいい〜ん」

先生!そのアクメった喋り方と指使いがエロ過ぎて、オヤジの鯉のぼりも思いっきり滝登りしそうです!

「じゃ、たっくんもやってみようか」

タクの指に糊をでろーんとつけてやったところ

「やだ、ふいて」

どうやら糊の感触がお気に召さぬ様子。

「糊つけないと鯉のぼり作れないぞー」

「パパがやって!のり、やーだー!」

うわーんと泣き出してしまった。しまった。「手を繋いで歌」はクリアしたと思ったのにこんなところにトラップが。大体糊がやだとか言っているけれども、いつも糊よりでろーんとしてるハナクソをいじってるだろうが!

しかし僕や先生がいくらあやしてもタクは泣いたまま。結局これ以降は僕にだっこされたまま授業が終わったのであった。

帰る時には出口で先生がひとりひとりに「さよなら」と言ってダッコしてギュッとしてくれるのだけれども、

「ほら、先生にさよならしなさい」

「やだ」

無条件で若い女性に抱いてもらえるのは幼児の特権であるというのに、大人がそれを求めるとなるとみだらな店に行くしかないというのに、これも拒否。

タク
授業の後、外で遊んでてもまだ泣いてるし。中盤までは絶好調だったのに後半大ゴケ。きっかけが糊だっただけに、

今日のタクはノリが悪かった。

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2008-05-01(Thu)

ビンタの神様

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晩ご飯を食べている時、娘・R(4才)がスープの中にポチャポチャとおかずを入れていた。

せっかくの嫁の手料理が台所三角コーナーに蓄積した残飯のようなカオス状態に。

「食べ物で遊んじゃいけません」

一応叱ってみたところ

「ちがうの!おいしいのよ!Rちゃんのお料理なの!」

逆に怒られてしまった。別にイタズラしているわけではなく、Rなりのグルメであるらしい。その混沌を更にまぜまぜした後、ばくばくと食べていた。

「ほら、おいしんだから」

Rは得意顔であった。ここは料理のアレンジ技を褒めてやるべきなのだろうか。

「えーと、よくできたね。ゲロみたい…いやいやヤミ鍋みた…いやいやいや…」

褒め言葉が見つからぬ。この子の味覚は大丈夫なんだろうか…そっと遠巻きに見守っていると

「あ」

Rがカオススープをこぼしおった。服の上下と床が瞬時にてびしゃびしゃの惨事になったものだから

「何やってんのー!あああああもう服脱いで!」

たちまち嫁がブチ切れた。Rはさっきの得意顔はどこへやら、しょぼーんとなってしまった。

「ちゃんと左手で持たないからこうなるんでしょ?」

嫁がネチネチと説教しながら服や床の始末をする。怒鳴りこそしないが、怒りを抑えているのは手に取るように分かった。そんな時によしゃあいいのに息子・タク(2才)が

「まったくダラダラ食べてるんだから…」

という嫁の説教の尻馬に乗り

「そうだよ!だめだよ!」

とか調子のよい相槌を打ったものだからさあ大変。

「お前はうるさい!」

嫁の内なる怒りを噴出させてしまった。怒鳴られたタクは当然大泣き。

「うわあああああん!パパー!パパー!」

と僕に歩み寄ってきた。そりゃお前が悪いよ、と言いたいところだったが、両親のうちどちらかが怒ったならばもう片方はなだめ役にならねばならない。嫁も僕も怒ってしまったらタクの逃げ場がなくなる…と思った僕は

「よしよし、こっちおいで」

さあ父の胸に飛び込んでおいで、と手を広げた。

「パパー!」

タクが僕の懐に飛び込み、抱きついて来る…そして抱き合う美しい父子愛…と思ったがさにあらず。

ばちーん。

思いっきりビンタされてしまった。

「な、なんでだー!」

「もうパパきらい!」

「お、怒ったのはママだよ?パパはお前を優しく包もうと…」

「パパきらい!」

「なんで父の愛が伝わらないんだあああ!」

まったくとんだとばっちりを食ってしまったものである。息子を庇おうとした僕の思いが、君に伝わる。そう信じていたのに。

「パパはな、今お前にビンタされた頬より心が痛むぞ…」

「うわあああん!パパやだ!」

悲しや。切なや。これほどビンタがこたえたことはなかったわ。親にさえぶたれたことないのに!いや、あるけど。そういえばビンタといえば、アントニオ猪木が「リンダリンダ」を歌ったら

「ビンタビンター!ビンタビンタビンター!」

ってなるっていうネタなかったか。ビンタビンタ、生きているから友達なーんーだー。

結局Rずぶ濡れ、嫁激怒、タク泣きわめきの阿鼻叫喚をどう収めようか、一応一家の大黒柱である僕は考えたのだが…。

困っちゃうなぁ〜。

ビンタ困っちゃう。

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2008-04-30(Wed)

GW国内残留組

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ゴールデンウィークに海外脱出し、成田空港に帰って来たところを娘・R(4才)や息子・タク(2才)が

「どこに行って来たの?」

とテレビに取材され、

「すぺいん」

とか答えて全国のお茶の間の庶民に「子供の癖に生意気だ」と嫉妬させる夢であるが、今年も叶いそうにない。それでも嫁はせっかくのGWなのだから遠出したい、という野望はあって、

「じゃ、練馬区から出たら遠出ってことで」

という妥協点で手を打ち、江戸川区の「なぎさ公園」に行って来た。ここは東西3キロにわたって様々な公園が数珠繋ぎになっている総合リクリエーション公園のひとつ。川向こうは東京ディズニーシーというおあつらえのGWスポットがあるというのに、敢えて無料の公園を選ぶ我々はラブユー貧乏。

なぎさ公園
公園間をシャトルバスが走る。Rもタクも乗りたいと言うので早速乗車。

なぎさ公園だからといって片平なぎさはいないので要注意である。その代わりポニーがいる。

「R、タク、お馬さんに乗ってみるか?」

「のるー」

と言うので行ってみたのだがいざポニーたちを目の前にすると

「やだ、こわい」

どうせそんなことじゃないかと思ったよ。Rの幼稚園にポニーが来た時も乗らなかったんだよなあ…。くりかえすこのポニニズム。

ポニーにこそ乗らなかったが、近所の公園にはないような遊具施設で力の限り遊びまくっていた。

Rタク
つり橋を渡るRと、なんか知らんが躍動感溢れるタク。

珍しい遊具に見向きもせず砂場とかでモソモソ遊ぶのだったら、わざわざここに来なくても近所の公園で済んだ、ということになってしまう。

「よかったナ」

我が子達が飛び回る姿を見て嫁と胸を撫で下ろすのであった。

午後になって昼飯を食べるとタクは昼寝。Rはまだまだ遊んでいたところ、公園内を

「紙芝居だよォー」

と声をかける爺さんがひとり。

「かみしばい、みるー!」

Rが目を爛々と輝かせていたので紙芝居鑑賞。

紙芝居R
「チョンちゃん」というお話でほのぼのとしたものであったが、Rは正直100円でもらったチョコとソースせんべいに夢中。21世紀から昭和の世に戻ってしまった。

そんなわけでゴールデンウィークは海外脱出どころか関東脱出も危ういのである。

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