2017-04-22(Sat)

中華ないぱねま!

先日、洗濯機が壊れてしまい嫁が嘆いていた。

今なにかと話題のT芝製だったので、これだからT芝は!とDISろうとしたのだけれども、買った当時の保証書をみたら2002年の日付であり、15年も稼働し続けてくれたのだ。すごいぞT芝!

嫁が新しい洗濯機をコジマデンキにて選んできて、日曜の夕方配達されることになっていた。配達の人が設置してくれて古いのも回収してくれて、とその手間はいらないのだが、ウチは狭い上にモノがみっちり詰まっていて現状では洗濯機が通れない。

なのでとにかく隣の部屋にモノを投げ込んで導線を確保したり洗濯機周りに組んでいたラックを外したりでなかなか大変であった。

洗濯機は午後6時ごろ運ばれて来、無事設置されて試運転もOK、モノやラックも元に戻してお疲れさん。気付いたら8時過ぎなので

「じゃあどっか近くの店でゴハン食べるか」

ということで近所の中華料理店へ。

「何が食べたい?」

嫁や娘・R(中2)はエビチリ!エビマヨ!麻婆豆腐!小籠包!五目チャーハン!など声を上げるが息子・タク(小5)は

「まぜそば!」

「つけ麺屋じゃあるまいしそんなもんあるわけないじゃん」

「あるよ!」

メニューを見たらあったー!しかも油そばとかまである。まじか。

エビチリや麻婆豆腐は辛さを調節してくれるというので、子供達のために辛さ控えめにオーダー。

「それでも辛いよう~」

タクにはそれでも辛かったようで、水をがぶ飲みしながら食べていた。一方Rは

「おいしいよ~」

と平気であり、いつもふたりは背が同じで双子のようだけれどもそこだけは姉の風格である。そして小龍包が来ると

「小龍包はね、こうやって食べるんだよ!レンゲに乗せて、中を開いて、あふれてきたスープを先に飲むの!」

食べ方を説明する。すべてテレビの受け売りなのがカワイイ。

料理はどれもボリュームがあって、得にタクが頼んだまぜそばがラーメン二郎ばりに麺の量がものすごく、腹いっぱいになってしまった。中華食べに来たのに太麺が喉から出て来そう…。

唐揚げも食べたかったんだよなあ。

洗濯機ーフライドチキン。なんちて。

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2017-03-28(Tue)

買い物しようと街まで。

「パパ、西友に行こう」

日曜日の昼下がり、娘・R(中一)に誘われた。

「何しに?」

「卒業お祝い!」

お世話になった部活の先輩数人にお祝いの品を渡したいんだそうだ。文房具がいいという。なんか以前もこんなことがあったような。確か部活の先輩からもらった修学旅行のお土産のお返しを探しに新宿を歩き回り、えらい時間がかかった。またその再来か。

しかし新宿ならまだしも西友ならRでもチャリですぐである。中一なのに未だに買い物に親がついて行くとか過保護のような。

「ひとりで行けないんかい」

一応言ってみると

「一緒に行こう」

という。まあいいけどさ。わーいRとデートだ。

「財布持ったか」

「うん」

いくら大甘な僕でもお金を出してやるほどスウィートではない。そんな確認をしてから西友にチャリで来た。文房具売り場でウロウロと物色するRの後を付いていたが例によってRの買い物は長い。

そのうち僕は隣のおもちゃ売り場を見ていた。ちびっ子向けのゲーム機に親子連れが群がっている。1回100円でゲームの中のポケモンをゲットするゲームなのだ。ゲットするとポケモンのデータが入ったメダルみたいなものがもらえる。昔、タク(小5)がこれにはまっててよく付きあわされたものである。

懐かしい思いで眺めていたら、いつの間にかRが横にいて僕の方を見ていた。

「Rも覚えてるか?これ。タクがはまったやつ」

「うん」

「で、買うもの決まったの?」

「うん」

「じゃあレジ行ってこい」

「パパも来て!」

「なんでだよーひとりで行けよー中学生ー」

「いいから来て!」

何故かしつこいので一緒にレジの列に並んだ。Rは4つほどのこまごました文房具を選んでいた。

「パパー、これ全部でいくら?」

「計算しろよ」

「してよ」

「足し算ぐらいしろよー中学生ー」

「してよ!」

まったくもう! スマホで計算してやる。

「980円だね」

と教えてやると

「あーよかった!千円いかなかった!」

なんかめちゃくちゃ喜んだ。

「なんでそんなに嬉しいんだ」

と聞いてみたら

「だっておこづかい千円しかなかったから。足りなかった時のためにパパに付いてきてもらったの」

ガーン。ちゃっかりしてやがる。はいはいどうせカードもパスワードも不要、しかも付いてきてくれる便利なATMですよ。

完全に舐められているな…。もうちょっと厳しくした方がいいのだろうか。

獅子は我が子を千尋の谷に落とすという。

ウチは我が子を西友のレジに並ばすぐらいはした方がいいかな。

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2017-03-12(Sun)

わたし、松葉。いつまでも松葉。

僕と息子・タク(小5)でランニングしているコースは、ゴールが「トキワ荘跡地」であった。

手塚治虫・藤子不二雄・石ノ森正太郎・赤塚不二夫といった昭和の代表的な漫画家達が住んでいたマンガの聖地・トキワ荘。藤子不二雄A先生の「まんが道」を読むとその頃の様子をうかがうことができる。現在、トキワ荘は現存しないが、

松葉
「まんが道」で藤子先生たちがよくラーメンをうまそうに食べる食堂「松葉」は今でも営業している。

松葉
お店の入口にもそのマンガが誇らしげに貼られていて、ここが間違いなくその松葉だということが分かる。

このマンガのページは、トキワ荘に引っ越してきた藤子先生達へ、引っ越し祝いとして先輩漫画家・寺田ヒロオ先生(テラさん)が松葉に出前を取ってくれたシーンである。

僕も子供の頃このマンガを読んでいたが、松葉のラーメンがとにかく美味しそうであり、いつか実際に食べてマンガの通り

「ンマーイ!」

と叫びたい、そう思ったものである。

トキワ荘を目指してランニングしていたら必ずこの店の前を通るわけで、目ざとくこれを見たタクが

「パパー、今度ここでラーメン食べてみたい」

と言うのであった。

「いいけど、たぶんここは昔ながらの食堂だから、ラーメン食べるんだったら○○とか××(好きなラーメン屋)の方がおいしいぞ」

と釘を刺すと

「わかってるよ!そういうことじゃなくて、ボクはマンガみたいにこのラーメンを食べたいの!」

タクは「まんが道」は読んだことはないけれども、小学校の図書室から手塚治虫や藤子不二雄、石ノ森章太郎といったトキワ荘ゆかりの漫画家達のマンガ伝記をよく借りて読んでいた。だからタクなりの聖地巡礼なのだろう。小5ながらもののあはれを分かっている。じゃあ行くべか、ということになった。

行けるのは土曜の昼間。嫁は仕事なので行けないが、あとは娘・R(中1)が行くかどうか。

「タクの希望でこのお店にラーメン食べに行こうと思うんだけど君も行く?」

とぐぐった店の画像を見せてやると案の定

「えー」

という反応だった。お年頃のRは、失礼ながらこのお店のような古ぼけたところを嫌う。そして

「ラーメンならこういうとこより○○とか××とかのほうがおいしいでしょ」

聞いたことがあるようなことを言った。だがひとり留守番するのが嫌だったのか渋々付いてきた。

そんなわけでお店に到着。

松葉
お店の入口には先程の画像の他にもマンガのページが貼ってあった。藤子A先生、どうやらラーメンだけでなく可愛い女の子店員にも興味があったようである。

松葉
こんなシーンも。おごってくれたのは寺田ヒロオ先生で、ベレー帽でスクーターで帰るのはつのだじろう先生である。タクはこのシーンを見て、

松葉
「シャバシャバって何?ラーメン食べるのにそんな音する?おかしいよ!」

と細かいツッコミを入れたが

「まあまあ、何十年も昔のマンガだから…」

このままだといつまで経っても店の中に入れないので適当に誤魔化して暖簾をくぐった。

先客はビールをチビチビ飲っている初老の男性がひとり。厨房の中からおかみさんが出て来たので注文をする。タクはラーメン、Rはワンタンメンを食べたい、と。じゃあ僕はゴハンものにしようと思い、焼肉定食にした。あとギョーザ。

調理はおかみさんワンオペなので出来上がるまで時間がかかった。

松葉
待っている間店内を見渡してみるとさすがマンガの聖地、サインがたくさん貼ってある。おお、「まいっちんぐマチコ先生」に、「鈴木先生」に、「ブラックエンジェルス」。

松葉
おっ。ジャストミートゆでたまご!

松葉
実際のトキワ荘住人であった藤子不二雄A先生・水野英子先生・よこたとくお先生、ラーメン大好き小池さんのモデルとなった鈴木伸一さん、トキワ荘出身漫画家を育てた編集者・丸山昭さんのサインは額縁に入っていて特に大事にされていた。

サインを見ながらRとタクにもそんな説明をしていたが、さすがにだんだんと空腹の限界が来たRとタク。

「お待たせしましたー」

松葉
しかし最初に運ばれてきたのは僕の焼肉定食だけであった。それはそれとしてこれは趣のあるおいしそうな定食である。しばし見惚れていると飢えた狼状態のRとタクの視線が痛かった。

「食べていいよ」

ふたりに分けてやると

「おいしい!」

ガツガツと食べ始めた。

松葉
さらに10分ぐらいしてからようやくラーメンとワンタンメン、ギョーザが到着。子供達が食べる前に写真を撮ろうと思ったけれど、未だ飢えた狼状態だったので恐ろしくて出来ず。

すぐさま麺をすすり始めて

「おいしい!」

いや、R、違うぞ。

「ンマーイ!」

松葉
タク。それをそれを聞きたかった。そして僕もひとすすり…。

「ンマーイ!」

自分でも言ってみたかった。さすがにイマドキのラーメンと比べるのは酷だが、タクの言うとおりこの場でこのラーメンの味わうことがよいのだ。程なくして残さず食べきった。

「もしかしたら、マンガに出てた女の子があのおかみさんかもよ?」

「まじか?」

「えー?まさかー?」

などとRとタクとヒソヒソと話したりして。「まんが道」ゆかりの雰囲気が気に入ったので、また来て

「ンマーイ」

と言いたいものである。おかみさんが厨房から出て来たところで

「ごちそうさまです」

とお会計を済ませた。出した千円札の枚数は、

ニマーイ。

なんちて。

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2017-03-01(Wed)

この世界の片隅に。

かなり出遅れティアヌス感がすごいが、映画「この世界の片隅に」を観ようと思った。

もう10年以上前になるだろうか、原作者である漫画家・こうの史代先生の作品が好きで、単行本を買い集めたりサイン会に行ったりしていたことがあった。しかしいつの間にか先生の作品をチェックすることを忘れてゆき、「この世界の片隅に」も「漫画アクション」に連載が始まった時に少し気になっただけでスルーしてしまっていた。

改めてこうの先生原作のこの映画を観てみようと思ったのは、先生の絵柄の再現度が高そうなのと、あとはやはり評判がとにかく良い、というミーハー的気持ちがあった。

とはいえ嫁は特に興味がないし、子供向けの映画でもないしな、と思ったので、土曜日の午前中にひとりで行ってくるよ、と告げて出かけようとしたところ

「観たい!」

娘・R(中一)が付いてきた。Rもやはり評判が良いこの映画が気になっていたらしい。

この世界の片隅に
(渋谷のユーロスペース。実際に観たのはここではないけど、看板がでかかったので)

思いもよらず娘と映画デートとなりウキウキになった僕は、映画館でチケットを購入した後フードコーナーで

「なんでも買ってやるぞ、何がいいかナ?ポップコーン?チュリトス?」

メニューの高い順から全部買ってやるぞぐらいの勢いで浮かれポンチ。Rは

「いちごのクレープ!」

クレープスティックとかいうカワイイ選択であった。僕はホットコーヒーにした。

映画が始まると当然だがRと話すことはほとんどなく、スクリーンに釘付けだった。話の始め頃は戦時中とはいえ、まだ戦争はどこか他人事のようで、明るく楽しく主人公たちの生活が営まれている。しかし徐々に戦争の恐怖は身近になってきて、のどかだった生活の場を容赦なく破壊してゆく。爆撃音や銃撃音が耳に痛いほどであった。

また、この映画は出来るだけ当時の姿を再現しようとしていて、当時の写真などを参考にしているところも多い。物語中に遊郭のシーンが出てくるのだけれども、僕は遊郭跡地巡りが好きなのでそこは特に食い入るように観た。美しかった。

2時間ほどの映画はやがて終わり、僕は涙を流していた。余韻に浸っていたが照明が灯って席を立たなければならない。重い腰を上げて

「いやー、よかったね…パパは感動したよ…君はどうだった?」

と、Rに言うと、Rがまず口にしたのは

「なっが!」

であったのでずっこけそうになった。そうなのだ。これまでRが観てきた映画というのはポケモンとか妖怪ウォッチとか子供向けの尺が短い映画ばかり。大人向けの映画は初めてであり、内容もRにはまだまだ分かりづらいものであったようだ。

「こないだ原作のマンガ買ってきたから読みなよ」

「うん」

そんな話をしながら映画館を後にした。そういえば、Rはずっとマスクをしていたので

「ちゃんと予防してるんだな。偉いな」

人が多いところでは風邪・インフルエンザ予防のためにマスクをしなさい、と日頃言われていることをきちんと守っているんだな、と褒めたところ

「いや、マスクしてれば誰か知ってる人がいても自分だって気づかれにくいから」

「へ?」

「パパと一緒のとこ見られるのがヤダ」

ガーン。近所の映画館だったので同級生がいないとも限らない。違う意味での予防だったのだ。

僕は存在すら許されないのだろうか。

君の世界の片隅に、ぐらいには居させてほしい…。

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2017-02-19(Sun)

走る走る、俺たち。

オッサンになって太った僕は、二度ほど痩せようと試みたことがある。

まず一度目は走ること。

何年か前、ほぼ毎日5キロぐらいを目標にして走った。しかし右足の膝をやられて1ヶ月ぐらい痛みが残る羽目になりやめた。

回復してからじゃあ今度は走るのは止めて歩くべ、とウォーキングを始めたのが二度目である。しかしこれも程なく飽きてしまった。もともと体を動かすことが大嫌いだし、ネット中毒だしで、ただひたすら歩き続けることに耐えることが出来なかった。スマホしながらのウォーキングなら絶対続くだろうけど、さすがにそれはまずいだろう。

そんなわけでしばらく太るに任せていたが、やはりちょっとは体を動かさないとなー、と思い

「ウォーキングを再開する。休日にやるぞ!」

と宣言したところ

「え、ボクも行く!」

息子・タク(小5)が興味を示し付いてきた。タクは体を動かすのが好きなので、以前はサッカーチームに入っていたのだが、現在は辞めてしまって体がなまっているのだ。辞めた後も

「あー。体動かしたい。暴れたい!」

とかよく言っているので、

「じゃあサッカー再開すりゃいいじゃん…」

と言うと必ず

「それはやだ!」

とむっつり顔になる。子供ながら人間関係とかそういう事情もあるんである。

「じゃあ行くぞ」

ジャージに着替え、父と息子でレッツラゴー。

「どこ行くの?」

とタクが尋ねるのはもっともである。僕も決めてなかった…っておい。というのも僕のウォーキングコースは飽きないように8コースぐらいあるんである。そんだけ考えても結局は飽きたけどそれはまあよい。

「じゃあトキワ荘跡地まで行こう」

「え、トキワ荘!」

トキワ荘とは、手塚治虫や藤子不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫他、昭和の代表的な漫画家達が若い頃住んでいたアパートで、マンガの聖地のような場所である。

トキワ荘自体は現存しないが、記念碑などが現地にある。僕のような藤子不二雄マンガリアルタイム世代だと「まんが道」などでほぼ一般常識的に知っていることであるが、平成2ケタ生まれのタクの世代にもよく知られていることのようだ。

何しろ学校の図書館に

トキワ荘
このような伝記があるからだ。ええー、石ノ森先生がもうそっち側の扱い(歴史上の人物的な)されちゃってんのー、っていうジェネレーションギャップ。スティーブ・ジョブズの伝記もあるからな…。死んだらすぐ番組のネタにしてた「知ってるつもり」のようである。

そんなわけでタクも知る「トキワ荘」。その跡地までがウチから行って帰って来てちょうど5キロぐらいなんである。しかもウチから1回曲がっただけであとはそこそこ広い道をずーっと行くだけなので分かりやすいことから、僕のお気に入りのコースであった。実際この通りを走るランナーは多い。

解説が長くなったが、タクとウォーキングを始めてみると、さすが体力を持て余しているだけあって、走り出してしまうんである。

「タク、ウォーキングだぞ!」

「分かってるよ!」

と言いつつも爆竹のようにダッシュしたりして体力有り余ってます的な余裕をオヤジに見せつけるのである。僕もついつられて走り出してしまうのであった。

数年前はノロノロながら5キロ完走で来た僕であるが、さすがにデブるわ年取るわ鈍るわで現在はそうはいかんざき。

「タク…あの信号まで行ったら休憩な」

「あいよ」

ところどころで体力の限界、気力もなくなり、完走どころではない。

「お前も疲れるだろう?」

頼む、キツイと言ってくれ、と心の中で叫びながらタクに問い掛けてみると

「全然!」

こいつの体力なら5キロぐらい余裕で完走しそうだ。そんなわけで僕だけヒーヒー言いながらようやくたどり着いたトキワ荘ゆかりの地。

トキワ荘
トキワ荘跡地近辺の公園にある記念碑。

「これがそうだよ」

と言うと

「おおぅ!」

と目を輝かせていたタク。かわいい。

トキワ荘
そしてここが「松葉」。「まんが道」ではよく藤子不二雄のふたりが食べては

「ンマーイ!」

と絶賛したり、カワイイ店員の女の子をチェックしたりするエピソードが記されていることで有名な店である。ホントにラーメンが美味そうに描写されていて、印象に残っている。

トキワ荘
店の前にも誇らしげにそのマンガのシーンが貼られていた。

「ボクもここで食べたいなあ…」

とタクも強く惹かれている様子だったので

「じゃあ今度行くべ」

と約束をしてしまった。

トキワ荘
そしてこれが実際にトキワ荘があった場所に建てられた記念碑。現在は事務所ビルの敷地内になっている。何故かお賽銭も供えられていた。

「ここがそうなんかー!」

タクもまるで僕と同じ世代のマンガ少年のように目を輝かせていたのがなんか嬉しかった。

「パパ、藤子不二雄ってふたりいるでしょ」

「うん」

タクが薀蓄を語り出したので聞いてみる。どういうことを知っているのか気になる。

「安孫子先生は藤子不二雄Aだけど、藤本先生は藤子・F・不二雄だよね」

「そうだね」

「藤本先生に『藤子不二雄F』じゃなくて、Fを真ん中にして、藤子・F・不二雄にした方が外人ぽくてカッコいいよ、って言ったのは石ノ森章太郎なんだよ!」

「あー。ジョン・F・ケネディみたいな」

それは僕も知らないことであった。ていうかホントかよ。ちなみに僕は藤子不二雄A(アナーキー)、藤子・F(ファンキー)・不二雄と覚えていた。

名所めぐりみたいなことも一通り終わって、

「よし、じゃあここを折り返し点にして、戻るぞ!」

「うん」

と走りを再開。走りながらタクは

「ボク、今年もリレーの選手になれるかな…」

と悩みをポツリと漏らした。リレーの選手とは、運動会のリレー競技のことで、選ばれた足の速い子のみが出場出来る。タクは選ばれてはいるもののギリギリのラインであり、タクが選ばれたことにより惜しくも落ちたライバルの子達が虎視眈々とその座を狙っているのである。

「そりゃあお前、ライバルに負けないためにはは鍛えとかなきゃならないから…」

と言ってる途中で

「どうせ『サッカー再開しろ』、って言うんでしょう!」

言おうと思っていたことをタクに先を越されてしまった。

「サッカーが一番いいと思うのは確かだよ…。でもそれがやだったら、こうしてパパと走って鍛えるかね」

長距離と短距離は違う気がするがまあよい。そんなことを言ったらタクが張り切ってしまって、帰りの道もタクのペースに煽られまくってもうヒイヒイである。そしたら

「うわ、パパ、汗かいてるよ!」

なんてことも言われ…。当初はウォーキングの予定であり、こんな走り込むつもりじゃなかったから思いっきり厚着してきてしまったのだよ…。走ると分かっていたならもっと軽快なウェアにしたんである。

ウチに着いてから

「また走るよね?」

タクは何気に楽しかったらしく、継続的にやりたいというタク。

「よし、分かった。またトキワ荘に行こう」

僕もトキワ荘まで走る覚悟で臨まなければならないので、もっと軽快なウェア、すなわちタンクトップ姿にならなければ…

ってそれは武井壮である。なんちて。

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