2003-03-02(Sun)

花粉=胞子=○子。

家に帰ったら、嫁の目が真っ赤だった。
目が潤んでて、顔全体も紅潮していた。

うつむき加減でタオルで涙をぬぐい、
ティッシュでぶーん、と鼻をかむ嫁。

また泣いてるのかよ。

嫁は泣き虫である。また僕が何かをやらかしてしまったのだろうか。
思い当たることはいくつもある。

家事やらないとか
臭い靴下いつも脱ぎっぱなしだとか
夜中4時ごろまでネットやってて一緒に寝てくれないとか
隠れて女の子と電話してるとか。

今度はいったい何がお気に召さなかったのであろうか。

ヤバいなーと思いつつ、取り敢えずスーツを脱ぐ僕。

あっ。それとも。
まさかまさかまさかまさか、

おなかの子供によからぬ変化が。出血してしまったとか…。
僕の血の気が引く。

嫁のずびび、と鼻をかむ音がした。
嫁のぶぶぶ、と鼻をかむ音がした。
嫁のずばば、と鼻をかむ音がした。

「…お前、花粉症か」

「うん。ハナジルがドバドバ止まらないの~」

泣いていたのではなかった。
よく見たら目より鼻の下のほうが真っ赤。

やっとつわりが治まってきたかと思ったら、
今度はこれである。
生命を育むのは一筋縄ではいかないようだ。

「ハナジルが赤ちゃんまで行かないかな?
 行ったらやだな。蝕まないで欲しい」

嫁がおなかをさすった。 

「じゃあ僕の花粉を流し込もう。逆治療だ」

しばらくご無沙汰なので僕がそう提案したが

「何が逆で何処が治療なのよ!訳わかんないし!」

また拒否されてしまった。

スギ花粉ばっかり体内に侵入して
僕の花粉は入れられないなんて。

花粉さんたち、お願いだから嫁は避けて通ってネ!
嫁はもう僕が飛ばした花粉で受精済みなのヨ!

いや、花粉じゃないけど。

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