2018-07-02(Mon)

水曜日のカンパネラ「円形劇場公演」河口湖ステラシアター野外音楽堂 2018.06.30・07.01

※6/30のライブを1日目、7/1のライブを2日目と表記しています。コムアイさんの画像はスケスケっぽい方が1日目、肌着っぽい方が2日目です。(ひどい)

富士山麓にある河口湖ステラシアター。

古代ローマ劇場のように観客席が半円形で、すり鉢状の段差があり、後部座席からでもよく見ることができる。

水曜日のカンパネラ
ステージにはコムアイさんによると

「ステラシアターだから『寺』をイメージした」

という金色のオブジェが建っていた。寺っ寺っ寺。ちなみに僕にはワールドカップっぽい何かに見えてしょうがなかった。

ステージと観客席最前列の間には水が張られ、鯉が泳いでいた。この演出は今回が初めてで、ステラシアターの職員の方のアイディアなのだという。ライブにかかわっている様々な方々が楽しみながら取り組んでいる雰囲気が伝わってくる。

ライブに先立ち先週リリースされたEP「ガラパゴス」。ケンモチさんは

「今作は非常にチルでスピリチュアルなEPになっています。穏やかで神秘的なEPです」

と語っており、ライブも富士山麓という自然の演出を利用したスピりまくりでチルまくりの内容になるのかと構えていたが、ライブの始まりはコテコテのEDM、水カン1のド派手曲、「ラー」であった。

コムアイさんはステージ向かって左側、後方客席の出入口から飛び出してきた。小さなライブハウス時代のころからステージではなく後ろや横から登場することはよくあり、「コムアイと弾は前から来るとは限らない」と言われていたものである。スピリまくりのチルまくりな演出も味わいたいが、出だしからドッカーンと盛り上がるライブはやはり楽しくて、一気に「来てよかった!」となる。

水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラ
コムアイさんは観客の中を突っ切り、更には天井のキャットウォークまで登ってしまう。2日目では「シャクシャイン」を通路そばにいた観客の一人にマイクを向けて歌わせようとしていたが、わりと全然歌えてなくて周りから「わはは」と笑いが起こった。

4曲目の「一休さん」で初めてステージ立ち、

「遠いところからこんなにたくさんの方が来ていただいてありがとうございます」

挨拶するコムアイさん。1日目は

水曜日のカンパネラ
「去年の武道館では納得できなかったことを同じ円形劇場でやれることが嬉しいす」

2日目は

水曜日のカンパネラ
「昨日の取りこぼしたところとか、もっと出来ただろうってところを含めやっていきます」

というようなことを語っていた。そしてファーストアルバムのころを振り返り「マチルダ」「ゴッホ」を歌う。クロールと逆上がりファン歓喜のひととき。

水曜日のカンパネラ
それから比較的発狂レイヴ系の「桃太郎」のリミックスバージョン、からの「ウランちゃん」に続く。このあたりのコムアイさんが舞う姿が非常に美しく、また、序盤のブチ上がりテンションを徐々に変えてゆき、「ユタ」「愛しいものたちへ」のオオルタイチ曲を繋ぎ、いよいよチルでスピリってきた。ゆったりと、ほわーっと。

コムアイさんはステージ最前の池のほとりで歌い、そのうち池の中に入ってしまう。歌う曲は水の生き物繋がりなのか「西玉夫」と「クラーケン」。クラーケンをライブで披露するのは超レアではないだろうか。少なくとも僕は初めて観た。

水曜日のカンパネラ

水曜日のカンパネラ
足で水を跳ね、波紋を生み出しながら歌うコムアイさんに気を取られている隙に、無人となったステージにはいつの間にか巨大に膨れ上がった緑の布の袋が。袋は客席に放たれて客の頭の上をぼよんぼよんとさまよう。

コムアイさんはついに池から出て再び客席エリアの通路に入り、「マトリョーシカ」。からの「南方熊楠」。疾走感がある曲で観客の動きも再び激しくなる。面白いのが曲の途中で「ライト兄弟」のアウトロに切り替わってしまい、また南方熊楠に戻る、ライブ限定の曲繋ぎ。

「おーおーおー、おーおおおーおー」

というライト兄弟のシャウトのところはコムアイさんが手をオラオラと上げてみんなも叫べと煽る。

水曜日のカンパネラ
疾走感はそのまま「見ざる聞かざる言わざる」「嬴政」と途切れることなく終盤の盛り上がりを見せ、舞台の照明がこれまでで最高の明るさでコムアイさんを照らした。その後、暗転。

コムアイさんの姿が見えるか見えないかという細い細い光の中で「かぐや姫」を歌い、闇の中、ステージの奥に消えて行ってしまった。かぐや姫にしては余りにも地味な去り方…と思ったら「キイロのうた」のイントロ。

水曜日のカンパネラ
舞台の後ろの壁がすーっと左右に開くと、これまで見えなかった舞台の後ろの広場と森が。覆っていた天井も開き、ポツンと明るく輝く星と富士山の黒い影も見える。そして広場に並んだ炎の列。その中に歌うコムアイさんの姿があった。炎が燃える匂いがここまで漂ってくる。

これまで客席に突っ込んで行ったりはしていたけれどもあくまでも閉じられた空間の中でのことだった。しかしコムアイさん、ついに劇場の外に出てしまった。

三次元の人間が時間を超えられないように、我々観客も、演者を観るという意思がある以上は劇場の壁を超えることはできない。超えられるのは演者だけであり、コムアイさんは我々のように空間時間の呪縛に囚われない時間を超えた向こうの世界から我々観客を見下ろす神のような存在に思えた。そしてこれが最後の曲となった。

「せっかくだからアンコールはなしで」

1日目の最後、コムアイさんがこのように言っていたのは本当に良かった。コムアイさんが向こうの世界に行ってしまってこのライブは幕を閉じる。それが

「アンコールありがとうございまーす」

とか速攻で戻ってきて何かやっても全てが蛇足になってしまうような気がする。かぐや姫が帰ってきちゃ駄目だ。

2日目はコムアイさんが最後に

「4日前から泊まり込みで移動サーカス団みたいに仕込みしてました」

このライブのため結集したチームメンバーを労い、ステージに呼び寄せた。

水曜日のカンパネラ
水曜日のカンパネラのメンバーであり、ライブ中はPAブース席にて凛々しく音響のコントロールをしていたケンモチさんも呼ばれたのだが、ステージに上がる段差がキツくてなかなか昇れずちょっと危なっかしかったので

「また落っこちないでね!」

とコムアイさんにネタにされて笑い声が起きていた。

水曜日のカンパネラ
いつまでもボーンブレイク伝説をいじられるケンモチさん。隣にDir.Fさん、更に隣にスタイリストの清水文太さんの姿も。

コムアイさんがお礼を述べ、全員でお辞儀をし、退場。観客はそれを見送って2日間のライブは終わりとなった。

さて、以下は私感のこじつけである。今回、野外のステージを使うだけあって、至るところで自然の演出を利用していた。

光と闇。照明のオンオフだけではなく、開演時間のころはまだ明るい空がライブの終わりには暗くなっており、炎の演出が抜群に映える絶妙の時間設定だった。また、ラストに現れた炎と森の木と広場の地面の土。

それにステージ内の池の水と寺をイメージしたという金色のオブジェを加えると、「陰陽」と「木火土金水」の要素がすべて揃っていたことになる。

「陰陽五行説」という、世の中は全て陰と陽、および木火土金水の元素から構成されている、という思想がある。その中に

「木から火が生まれ、火から土が生まれ、土から金が生まれ、金から水が生まれ、水から木が生まれ…」

という「五行相生」の考え方があり、我々もいつか死んだとしても姿形を変えながら残っていくのだ、と解釈することもできる。

水曜日のカンパネラ
そういえばオフィシャルTシャツの中に陰陽マークが付いたものもあったっけ。

だからあの場所でコムアイさんが歌っていた

「何万年かまた先で
 惑星の軌道が重なる
 また違う姿で違う匂いで
 気付かなくとも」

「キイロのうた」の歌詞はぴったりはまった。戻りたい、やり直したい過去には戻れなくても、また先の世界で巡り合える…そんなことを考えた。

重ねて言うが、以上、こじつけである。でもとても心地よい余韻を残して会場を後にすることができた。

ライブ中全く飽きることがなかったけれども、一番記憶に鮮明に残っているのは「愛しいものたちへ」だろうか。「ユタ」からのオオルタイチ曲2連続。水辺で歌うコムアイさんの姿。オオルタイチ曲と水って相性がいいのかしらん。

ランタンで水面を照らしながら(2日目だけ)歌う姿がスピリっていたし、何かを投げて(5円玉だそうだ)水面に生み出した波紋の広がりが声の広がりとシンクロしているようで、見ていて本当に気持ち良くて、なぜか涙がこぼれてしまった。音も抜群に良かったからだろうか。

富士山麓オオル泣く。なんちて。

【セットリスト】

01.ラー
02.小野妹子
03.シャクシャイン
04.一休さん
05.マチルダ
06.ゴッホ
07.桃太郎Remix(Cosmic ver.)
08.ウランちゃん
09.ユタ
10.愛しいものたちへ
11.西玉夫
12.クラーケン
13.マトリョーシカ
14.南方熊楠(ライト兄弟アウトロ)
15.見ざる聞かざる言わざる
16.嬴政
17.かぐや姫
18.キイロのうた

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お疲れさまでした
いつも素敵なレポートありがとうございます~

陰陽印はスピリッちゃってる象徴でしょうねー
それは インスタでコムアイさんが着ていた時から感じていました~

「愛しいものたちへ」の時の光りの揺らぎですが
5円玉を投げ入れる前からもゆらゆらしていて
よーく見てみると 池に放流された鯉達が泳いで動く事によって起こっていたのです❗
これが意図的な演出だったらヤバ過ぎるだろうと思った。
2日目ライブ前に ライト担当の方と話をする機会があったので その事を聞いてみました
「光の揺らぎをつくるために 鯉達を放流して水面を波立たせたのですか?」と
結果的には そうなったのですか それは偶然に近いと
水の演出がしたいから池を作ろう

池だったら魚が泳いでいた方がらしくなる

光を当ててみたら魚の泳ぎ効果が起きた


順番に作り上げていくうちにそうなった と言ってました

このように
他の演出も ひとつひとつスタッフが作り上げて あのように素晴らしいものになったのだと思いました

No title

ポニーさん、ありがとうございます。

あそこを池にしたのはステラシアター初のことだったといいますから、
アイディア豊富な優秀な人達のチームだったんでしょうね。
いろんな知恵の集大成だったと思います。

コムアイさん、チームメンバーの力をとても尊敬していて
チームでの成功をものすごく喜んでいるように思えました。
バカ写真
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