2014-05-01(Thu)

修行するぞ!

息子・タク(8才)がはまっているポケモンカード。

先日「ポケモン竜王戦」という、全国各地で予選を行なった上で王者を決めるという大規模なカードバトル大会があって、それに参加して予選ボロ負けして帰って来た。

で、5月3日にまた「メガバトル」という大きな大会があり、タクは当然それにも出たがっていたので参加申し込みをしてしまった。

「今度は簡単に負けないよう特訓したい」

ということで、ポケモンカードの猛者どもが集まってバトルしているお店をネットで探した結果、秋葉原の某カードショップを見つけたので連れて行くことにした。そこでは今日バトルイベントが開催されるとのことで、タクはそれに参加したいと意気込んだ。勉強もこれぐらいムキになってくれればいいのに…。

タクには実戦経験が殆どない。百戦錬磨のカードショップ常連たちにボロクソに負けることであろう。

「君は初心者だから負けて当たり前だからな」

「うん」

ただ負けるからこそ相手の上手な戦い方や自分の弱点が見付かるはずだ。強い人に話しかけてみればいろいろ教えてくれるかもよ、そんなことを言い聞かせながら店に向かった。

店は雑居ビルの中にあり、上下階には萌え系マッサージとかメイド耳かきとか声優カフェとかJKカフェとか、秋葉原ならではの店ばかりだったので、タクの手前ちょっとだけ動揺した。どうせバトルイベントが始まったら子供ポケモン親ノケモンで、僕はやることないし、こっちの店にしけこんでいようかな…なんて。

店内には

「当店のお客様から竜王戦王者が誕生しました!」

などという、当店から1等3億円が出ました的な貼り紙と竜王戦優勝トロフィーが飾られてあり、ここがポケモンカードのメッカであることを知る。ただ店自体は古くて狭くて未整理のカードも溢れまくっており、混沌としていて薄汚いけれども。

タク
一旦店を出て昼飯はラーメン。

「おいしい!今まで食べた中で3番目においしいラーメン屋さんだよ!」

とタクが絶賛。ラーメンオタクか。3番目て。

店に戻り、バトルイベントの開始時間が近づくにつれ、参加者であろう客が集まってきた。ほとんどが中学生~社会人のツワモノっぽい常連で10人ぐらい、小学生以下はタクを含めて3人ぐらいか。父母姉妹4人でエントリーしている一家もいた。

人口密度が高くなり息苦しくなってきたので、ちょっと外の空気を吸ってくる、とタクに伝えて店を出、ビルの外階段を降りて行くと、途中階の踊り場で突然制服姿の女子高生とバッタリ鉢合わせしてしまい、めちゃくちゃビックリしてしまった。彼女はかったるそうに襟元のリボンを結び直している。

本物の女子高生じゃなくてJKカフェとかの店員なんだろうな、とか考えていたら、もの凄い怖い顔で睨まれてしまったので、慌てて逃げた。どうやら物珍しくてついガン見してしまっていたようだ。ていうか、降りて外に出ようとしていたのに、慌てていたのでまた昇って店に戻ってしまったし。

タク
そんなわけで大人しくタクの対戦模様を眺めていた。やはり負けてばかりだったが楽しそうでありホッとした。相手からアドバイスをもらったりしていて、以前の負けて号泣していた頃と比べると成長したと言える。これだけで連れて来てよかったと思えた。

タクが対戦した中で一番速く負けた相手は、父母姉妹で参加していたうちの、タクと同学年くらいの女の子であった。思わず

「強いねー。何年生?」

と声をかけたらタクのひとつ上、4年生だという。そして嬉しそうに

「今日、家族で札幌から飛行機で来たの」

と言うのでびっくりしてしまった。

「すごいね。まさか、この店に来るため…じゃないよね。はは」

一家そろってカード大好きだからそれも有り得るかも、なんて聞いてみたら

「メガバトルに出るからそれに合わせて来たんだよ。ゴールデンウィークは東京にいるの!」

そうか!メガバトルに合わせて上京して来たのか!ただ、メガバトルは冒頭にも書いた通り5月3日の土曜日である。いくら今がゴールデンウィークでも、土曜日まで普通に平日があるんだけど…サボっちゃうんだろうか…。勿論そこまでは突っ込まなかったけど、ものすごい情熱である。

「東京って…スゴイ!」

女の子が目をキラキラさせてそう語っていたのが今でも印象に残っている。僕だったら、飛行機で東京に降りた途端こんなマニアックな店に連れて来られたらブチ切れる。余程ポケモンカードが好きなのだろう。

ポケモンカードやってて、しかも強い女の子なんて珍しい、と思って声をかけてしまったが、よく考えたら竜王戦でも女の子は結構いたし、僕が知らないだけで別に珍しくもないのかもしれない。

全対戦が終了し、タクは成績はサッパリだったが、最後の余興で行われたじゃんけん大会で見事勝ち残り、賞品のポケモンカードひと箱分をゲットして大喜び。

「パパ、ボクが勝つと思ってた?」

「思わないよ!意外とそういうところ強いよな」

どっかしらで見せ場を作るタク、おそろしい子!

店を出ると既に夕方。駅までの道を歩いていると、メイド服着た女の子が

「メイドカフェでーす」

とチラシを配り、ロリータ服着た女の子が

「コスプレ居酒屋でーす」

とチラシを配り、OL風な制服を着た女の子が

「OLカフェでーす」

とチラシを配る。たった数十歩の間にこんだけのジャンルの店の女の子が。密度高過ぎ。そして

「JKカフェでーす」

とチラシを配っている女子高生制服の女の子もいて…って、その子はビルの階段で僕にガンタレていた女の子ではないか。あの時の怖い顔からは想像もつかないほど人懐こい可愛い笑顔を道行く人に向けていた。

ファンもいると見えて、その子に話しかけたり遠巻きに見守っている男たちもいる。アイドルのライブに足を運ぶ僕からすると、非常にデジャヴな光景である。こんなところにもアイドル現場ってあるんだなあ…。

メイドカフェ黎明期の秋葉原には、友達がメイドをやっていた店があったので何度か足を運んだことはあった。その時はこんな百花繚乱状態ではなかったので、ニセJKの女の子に対してもつい物珍しい目で見てしまったが、ポケモンカード大好き女の子と同様、僕が知らないだけでたくさんいるのだろう。

どこにもいるわ、特別じゃない、わーたーし、少女A~♪

中森アキバ。なんちて。

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