2004-02-01(Sun)

デパチカセブン。

今週は休みなしで仕事である。
疲れているせいか甘いものが食べたい。

「ケーキ、食べたいな…」

嫁の前でつい口に出てしまった。

「じゃあさ、会社帰りにデパ地下で買って来て!」

疲れ切った体に鞭打って休日出勤するというのに
なんという鬼嫁であろうか。

「お前が買い物に行けばいいだろ…」

「だってぇん、R(5ヶ月の娘)を連れてかなきゃならないしぃ
 デパ地下は人多いしぃインフルエンザ流行ってるしぃ
 Rに伝染したくないしぃ」

嫁は痛いところを突いて来やがるので仕方なく承知した。

「じゃあどんなのを買ってくればいいのさ」

「チョコレートケーキがいい!」

「…ショコラみたいなもんか?」

僕は洋菓子についてはわりといい加減な知識しか
ないのだった。

「違うよ」

嫁はあっさり否定。チョコとショコラのケーキって違うのか?
よく分からんので

「チョコっとショコラへんのとこ教えてくれない?
 うえっへっへ」

会心のギャグを披露したら

「…イチゴのショートケーキでいいよ」

黙殺されてしまった。そんなわけで仕事が終わった後
閉店間近のデパ地下に滑り込みイチゴショートを探す。

以前にも嫁のお土産に、とケーキを買いに来たことがあった。

その時はケーキを買った後、キハチのソフトクリームが
うまそうだったので自分の分だけ買ってベロベロ舐めて
帰ったのである。

食べ終わった後コーンを覆っていた紙を捨てずに取っておいたため
それを嫁が目ざとく見つけ怒りを買ってしまった。

今回はそんなあやまちは犯しますまい。
ちゃんと寄り道せずに買って帰った。
嫁にケーキの入った箱を渡す。

「きゃー。ありがとう」

「デパ地下までわざわざ行ったんだから今夜は
 エロチカじゃー!」

「やだ」

…。

甘いものは僕も好きだが
甘い口説き文句は苦手である。




2004-02-01(Sun)

ドナドナ

photo

これが

「荷馬車に乗って
 子牛を捨てる人がいます」

だったら…と考えたら
ものすごく悲しくなってしまった。

2004-02-02(Mon)

いちご悪書。

娘・R(5ヶ月)が寝静まった後、
昨日買って来たケーキを嫁と食べることにした。
イチゴのショートケーキである。

パティシエがヤケクソになったんじゃないかと
思うほどにイチゴがこれでもかと乗っている。
そして生クリームもぼってりと。

「うんまあい。うんまあい」

感激のあまりラリってるような顔をして食べる嫁。
僕も疲れているせいか甘いものを欲しているので
べろべろと舐めるように味わう。

Rが起きないように明かりを消して「えへへ、えへへ」と
ふたりして幸せに浸りながら食べていた。

…こう文章に起こしてみると
なんだか阿片窟のような光景だったかもしれない。
Rが起き出してたらきっと泣いただろう。
娘よ、こんな卑しい食べ方をしてはいかんぞ。

「うううう~」

突然嫁が呻き出した。さては本当に
ナチュラルトリップしてしまったのかと思ったら

「これが最後のイチゴ~。もうこれで終わりなのね~。
 またしばらく食べられない~。悲しい~」

という慟哭であった。

「また食える日も来るさ。買って来てやるよ」

「ほんとに?」

「イチゴイチエって言うじゃないか」

フン、と嫁に一蹴されてしまった。

代償としてケーキを食べさせた後に
性器を食べてもらいましたとさ。





2004-02-03(Tue)

寝た子を起こしてダッコしたい。

午後9時。今日は早く家に帰ってきた!
娘・R(5ヶ月)の顔が見れる~!
おおマイリトルラバさん~!と
勢いよく部屋の中に転がり込んだが

「ZZZ…」

Rはすでにオネンネ。どどーん。

「いつもより早いじゃないかよ…」

これはどういうことだと嫁に問い詰める。

「Rを宵っ張りにさせちゃいけません!
 赤ちゃんの脳は午前0時までの睡眠で発達するのよ!」

嫁はまたどこかで子育ての知識を仕入れてきたようである。

「それはもっともだけど、そんなに早く寝かせたら
 僕はRと一緒にお風呂に入れないし
 永遠に寝顔しか見れないじゃないか…」

休日もないし…と僕は泣き落としにかかったのだが

「親の生活サイクルに合わせちゃだめなのよ!」

嫁の一喝で僕はもう何も言えなくなった。

考えてみれば定時で帰れる仕事にでも就いてない限り
世の父親は起きている子供に会えないのがほとんどだろう。
みんな苦しくないのだろうか。

「子供に顔忘れられちゃってますよはっはっは」

などという台詞はよく聞くが、
僕の苦しみはそんなもんではない。

Rは僕の小さな恋人である。まいりとるらばー。
会いたくても会えなくて
胸が引き裂かれるような恋心に近い。

しかしRの成長のためなら仕方がない。
嫁の「R朝型計画」を受け入れることにしよう…。

断腸の思いである。それならばせめて…

「じゃあお前に浣腸させろォ!
 僕の息子は0時以降に発達するんだー!」

「イヤア!痛いからやめて!」

久しぶりに嫁の後ろ穴を攻めようとしたが
これも叶わずに終わった。



せめて写真を眺めて涙する毎日である。
まいりとるラバさん、断腸の娘…。





2004-02-04(Wed)

節分の鬱憤と接吻。

また仕事が終わらなくて午前様になってしまった。
嫁も娘もとっくに寝ていた。

世間では節分だったようだが
嫁に接吻もままならない。

嫁は豆まきをしたのだろうか。
僕は子種まきもままならない。

鬼は外とはいっても
ナニを外に出す機会もトイレぐらいしかない。

「イヤよイヤよも福は内~」

と嫁を押し倒すこともできない。
このダジャレ、一年間暖めていたんだけどなあ。

立春と いえども寒い 我が心
ムダに立つのは アレばかり哉

はらはらとひとり嘆いていたら
嫁が寝床からゴソゴソと起きあがった。

「連絡もくれないから心配したのよ…」

すまん、嫁…。
みんなで豆と笑顔をふりまきかったよう。





2004-02-05(Thu)

父:トマホークベーゼVS娘:首ふりイヤイヤ。

朝、娘・R(5ヶ月)が僕よりも早く起きていることがある。

仕事から帰って来た時には絶対寝ているので
この時だけがRの顔を見れる唯一のチャンスだ。
1日にわずか数10分。むなしい…。

「行ってらっしゃい」

僕が会社に出かけようとすると、
嫁がRを抱いて玄関まで見送りに来てくれる。
縦に抱っこされたRはこちらをじい、と見ている。

「お出かけのチュー!」

僕は唇をずどうんと突き出した。
しかしRはサッと向こう側を向いてしまう。

苦笑いした嫁がトトトと向きを変えてRをこちらに向かせる。

「お出かけのチュー!」再び唇をずどうん。R、顔をサッ。

ずどうん。サッ。ずどうん。サッ。埒があかん!

何故避けるのだ…。

「あなた、臭いんじゃないの?」

嫁、ひどいこと言うんじゃねー!
そ、それは僕からオジサンの臭いが
立ちのぼっているということか?

どうせ僕は三十路さ…ヨヨヨと玄関に崩れ落ちたが、
そんなことをしているうちに遅刻しそうになったので
慌てて電車に飛び乗ったのであった。

煙草の臭いもやはりまずいのだろうなあと
電車の中で真剣に考えたりして。

煙草もちゅーも、どちらも唇に心地よい。
しかし僕はどちらかを捨てなければならないのだろうか。

悪いことに僕は今まで100回ぐらい禁煙に失敗している。

煙草20本吸う代わりにRの唇を200回吸うことにすれば
やめられるかもしれない。
でも変態親父と言われるかもしれない。

キン エン シテテモ チューシタイヨー チューシタイヨー♪

どっちみちRのファーストキスは
僕が奪ったんだけどね…フフフ…。





2004-02-06(Fri)

なんてったって雛ドール。

夜、家に帰ってくると部屋の中は暗い。
娘・R(5ヶ月)が寝静まった後なので
嫁が明かりを消しているのである。

そんな暗い部屋の中に何か大きな物体の
影がぼうっと浮かび上がっており…。

なんだこりゃー。仏壇か!
いよいよ僕にお迎えが来たのか!

と思ったらひな壇だった。

「セッティングしてみました…」

なんだか疲れ切った嫁が言った。
そういえば嫁一族がRのために買ってくれたのだ。

「でも、何でこんなにでかいんだよ!」

買ってくれるのはありがたいが、
ウチは狭いのでお雛様とお内裏様のツガイだけでいいと
言ったはずなのに。目の前にあるのはどどんと三段飾り。
三段もいらん。お袋の三段腹だけで充分である。

「確かにそう言ったんだけど、見栄っ張りなのよウチ…。
 これじゃしまう場所もないしセッティングも大変だったし
 どうしろって言うのよー!」

嫁と僕は途方にくれた。
しかも僕は人形が苦手である。暗闇だと



…ものすごい恐いし。

更にでかすぎるために僕らの寝室しか置く場所がない。
非常に寝つきが悪くなりそうである。

それに嫁との夜の契りの時はどうする。
ギャラリーがいるみたいではないか。
いやんばかん見ないでー。

とりあえずはセットしたひな壇三段飾り。
今後どうしようか考えなければなるまい。

ひな壇はひな祭りが終わったらしまわないと娘の婚期が遅れるという。

ひな壇がでかいので、しまう場所がなくていつまでも出しっぱなし。

Rの婚期が遅れる。

それでもいいかな。フフ。
いつまでもお父さんの元にいなさい。

悪魔の三段飾り論法。





2004-02-07(Sat)

怒鳴るぞマクドナルド。

僕も嫁もNHK教育でやってる「おじゃる丸」が好きだ。

「今日からマクドナルドでおじゃる丸が売ってるよ」

仕事中、職場のこれまたおじゃる丸好きな女の子が
僕に情報をくれた。

「あんだって?マックはおもちゃ屋に鞍替えしたのか」

よく聞いてみるとマックでハッピーセットというものを頼むと
おじゃる丸のオマケがついてくるらしい。
更にマック限定のグッズも売ってるらしい。

すわ一大事。こういう限定モノに対しマニアは
銀行取り付け騒ぎ並みのものすごい早い行動を取る。
速攻で買わないとすぐ売り切れてしまう。

というわけで仕事帰りマックへ。店頭にそれはあった。



おじゃる丸オモチャの陳列棚の前でじいっと眺める
会社帰りの三十路男。それが僕。

周りの人に怪しい人だと思われてないだろうかなんて
考えてしまってはマニアなどやっていけない。

それに僕には娘・R(5ヶ月)がいるのである。

「娘のお土産を探すお父さん」

ということで見てもらえれば一気に微笑ましく
なるではないか(ならない?)
本当は自分が超欲しいんだけど。

おじゃる丸を手に取りシゲシゲと眺める僕。
怪しいおじさんじゃないもーん。
娘のお土産だもーん。

おじゃる丸は可愛いなあとつい笑みがこぼれてしまう僕。
怪しいおじさんじゃないもーん。
娘のお土産だもーん。

娘がいるって素敵!と自己欺瞞しつつ
おじゃる丸をひとつ抱え、「これ下さい」と
レジのカウンターに持って行ったら

「こちらでお召し上がりですか?」

食わせる気かよ!





2004-02-08(Sun)

デビルイヤーは地獄耳。カーオブザイヤーは車耳(うそ)

目が宙をさ迷い、口が半開きの状態で
耳かきをしていた。
目の前のパソコンモニタに映った僕の顔は
それはもう気の抜けた顔であった。

ふと隣の部屋を見ると嫁も同様の
呆けた面をして耳かきをしていた。

お互いダッチワイフのような顔で
見つめ合うマヌケな数秒間があった後

「真似すんな!」

「あなたこそイヤー!」

嫁が「耳」と「イヤー」をかけていたのかどうかはともかく、

仲睦まじい男女の像のひとつとして
彼女の膝枕で耳かきムフー、というのがあると思う。
しかし我が家では各々が自分でやる。
仲が悪いからではない。

僕は1度だけやってもらったがそれ以来辞退している。
嫁の耳かき捌きはとても痛くて恐かった。
逆に僕も嫁にやったことはない。
だって嫁の耳垢ってねっちょり系なんだもおん。

僕はカサカサ系なので、この世にはねっちょり系の
人種もいるということは高校生になるまで
全く知らなかったのだ。

高校のねっちょり系友達に初めて見せてもらった時の
衝撃といったら…。初めて男女結合部分を見た時よりも
大きかったなあ。

さて。ここで疑問がひとつ浮かび上がった。

娘・R(5ヶ月)の耳垢はどっちだろう。

親の片方がドライ、片方がねっちょりだった場合
どちらが優性になるのだろう?

実は僕はRの耳垢を見たことがないのである。
恐くてできん。耳穴をズギャアアアアと
やってしまいそうだから。
なので嫁に聞いてみることにした。

「ね、ねえ。Rの耳垢は乾いてる?ねっちょり?」

どきどき。ねっちょりだったらどうしよう…。
ちょっと、お父さんがっくりきちゃうな…。

「…乾いてるよ!あなた似よ!」

嫁は吐き捨てるように答えた。
僕が散々ねっちょり耳垢なんて見たくもないと
言っているからだろう。

何はともあれビバマイ遺伝子。
ちょっとはねっちょり系にも慣れようとは
思うのだけれども。

いつか嫁娘両方の耳かきに挑戦する
つもりである。

夜はますかきである。





2004-02-09(Mon)

隣のイギリス人。何してるの~♪

昼間、隣のジェームス君(フロムU.K.)がウチの前で
突っ立ってベーグルをむしゃむしゃ食べていた。

「…なんで外で食べてるの?」

ジェームス君は食べながら空を指差した。

「オヒサマ、デテル。アッタカイ」

ふーん。そっかあ。って、よく分からねーよ!
放射冷却でめちゃめちゃ寒いのに。
イングランド人のやることは謎である。

そのジェームス君、夕方に奥さんと
娘のサリーちゃんを連れてウチに遊びに来た。

奥さんは日本人なのでサリーちゃんはハーフである。
しかも僕の娘・Rと誕生日が1週間しか違わないので
嫁と奥さんは一緒に赤ちゃん健診に行ったりして仲が良い。

サリーちゃんはようやく髪の毛が生えてきていた。
よく見ると金髪である。

「すげー!きれーい!」

嫁とふたりして感動する。さすがU.K.のハーフ!
一方でわが娘・Rは大和民族100%の黒髪が生まれたときから
フサフサである。つむじがふたつあるため
髪の毛が逆立っているのでジェームス君はそれを見て

「パンクスみたいネ」

パンクス発祥の地U.K.人ならではの発言をしていたが
最近は後ろ髪が伸びまくって来たので

「ヒッピーみたいネ」

と言われてしまった。キイイイ!
西海岸へ行っちまえ!

などと毒づいていたら、なんと、ジェームス君一家は
もう今月終わりに本当に引っ越してしまうのだという。

Rとサリーちゃんが生まれたきっかけで仲良くなれて、
これからもっとお付き合いができると思ってたのに。
Rも最初のお友達といきなりお別れで辛かろう…。

「うえええん」

サリーちゃんが眠くなったのか泣き出し始めた。

「じゃ、そろそろ…お邪魔しました」

奥さんが挨拶し、ジェームス君が泣き叫ぶ
サリーちゃんを抱えて帰って行った。


ジェームス君、元気でね。
引っ越し先にも遊びに行くからね。

とりあえずベーグルは家の中で
食べたほうがいいと思うよ!

子泣ーきー IN THE U.K.





2004-02-10(Tue)

景気付けにケーキ漬け。

「テレビで○○町のケーキ屋が紹介されたのよー
 行きたいのよー!」

と嫁が言うので行ってきた。電車で三つ目の駅の○○町。
嫁はケーキが大好きなのは昔から分かっているが、以前

「生クリームは母乳を苦くするから
 赤ちゃんに良くない。だからケーキは控える」

とか言っていたのである。しかも先週も食ったばかりなのである。
この誓いは一体どうなったんだろうか。いい加減なもんだ。

でも僕も娘・R(5ヶ月)と久しぶりにお出掛けしたいので
あえて突っ込まず電車に乗り、○○町駅で降りた。

「嫁よ、ケーキ屋の場所はテレビで分かってるんだろ?
 どの辺よ。」

「うん、6丁目!」

アバウト過ぎ!

嫁に道案内を任せた僕が愚かであったことよ、と
コンビニに駆け込み地図を立ち読みし
何とかケーキ屋に辿り着いた。

中に入ると可愛らしいケーキ達がキラリラリーンと
ウィンドウに並ぶ。これは僕でも食べたくなってしまう…

と、よく見たんだがケーキにはそれぞれ名前がついており、
それがどいつもこいつも「ピエール」だの「イボンヌ」だの
「エマニュエル」だのヤバげな名前ばかりで躊躇してしまった。
「ピエールひとつ下さい」なんて言えないよー。
(ピエールといえば瀧なんである)

「おい、ちょっと、やばくない?」

嫁にも耳打ちしたのだが、嫁はそんなことにはおかまいなく
目をハートにして端から全部買っていきたいなどとほざいておる。

仕方ないので僕は見た目重視で「イボンヌ」と「ロザンナ」を選び
(一体何者…)買って帰ることにした

「いつもRを手から離せないでしょう?
 食べることぐらいしか楽しみがないの。
 キャー。ケーキー!」

帰り道の嫁は上機嫌。女はこうやってぶくぶくと
おばさんになっていくのだなあ。

しかし悲劇は駅のエレベーターで起こった。
一緒に乗り入れた爺さんがRの顔をまじまじと見つめ

「あれまーこの赤ちゃん…」

一瞬のタメを置いて

「太っちゃって!」

可可と笑ったのである。ムキー!

Rはというと僕ら以上に乙女心を傷つけられたのか
「びえーん」と泣いてしまい、家に着くまで号泣…。

このとんでもない爺さんには「ミゲル」という
ケーキ以上に恥ずかしい名前を付け呪うことにする。

でもやっぱり甘いもの食べ過ぎなんじゃ…。





2004-02-11(Wed)

ザ・ラスト・ギュウドン。

吉野家の牛丼が今日いっぱいで販売を休止するという。
独身のひとり暮らし時代、料理が出来ない僕にとって吉野家は

真夜中に腹が減った時の駆け込み寺であり
バイト中なかなか食事の時間が取れなかった時の
救いの神であった。

絶望のズンドコに陥った時、何も考えずに
ガーッとかっこむことができるヤケクソの場であり
財布が苦しいときでも腹を満たしてくれる
頼もしい友であった。

吉野家の牛丼は自分の苦労と哀愁が染み込んだ
特別な食べ物だ。
しばしのお別れをしなければなるまい。

「晩御飯は吉野家買ってきて」

朝、嫁にお願いして仕事に行った。
しかし、昼ごろ嫁から来たメールには

「めちゃめちゃ混んでてR(6ヶ月の娘)も
 怒りながら泣き出しちゃって買えなかった…」

とあった。恐るべし吉野家エレジー。
ていうか嫁、何もピークの昼飯時に
行かなくていいじゃないか。

それならば、と、ちょうど午後出かける用事があったので
それに合わせて吉野家で昼飯を食うことにした。

めちゃめちゃ混んでいた。

行列こそ出来ていなかったが午後3時だというのに
次から次へと客が入り席が空いたかと思うとすぐ埋まる。
これだけの客がいるのに代替メニューのカレー丼などを
頼む人は誰一人いない。

明日からはここにいる客は全部いなくなるのだろう。

これまで何百回と味わった牛丼をいつもどおり
8分で食い終わった。特に感動することはなかった。
だがそれでいい。ありがとう吉野家。また会う日まで。

家に帰ると、Rは寝ていた。

「ごめんよ、父のわがままのせいで
 泣かせてしまって…」

寝顔にちゅーをお見舞いした後、
苦労をかけた嫁にもちゅー。

牛丼の後は母娘の親子丼をいただくことにしよう。

つゆだくで。





2004-02-12(Thu)

裸でお祝い。それヒワイ?

9日に娘・Rが産まれて6ヶ月目を迎えた。
病気もなく怪我もなく、ただひたすら
太る一方なのが気になるがとにかく
よく育ってくれたものである。

そして毎月9日はカレーを食べてRの誕生と成長を
祝うのだー!

毎月毎月いちいち祝わんでもいいだろう、と
呆れられるかもしれないが笑わば笑え。
遠からん者は音にも聞け。
近くば寄って目にも見よ。
にぎりっ屁をお見舞いしてくれる。

しかしこの日も残業が続き、帰りは午前様になってしまった。

Rは寝ている時間だから一緒にお祝いできないよなあ…
とトボトボ家路に着いたのだが

Rは布団の中でキャアキャア騒いでいた。

「今日に限ってちっとも寝ないのよ」

嫁が苦笑いしながらあやしていた。
でも僕はRの起きている顔が見られたので嬉しい。

「ふふふ。ひとまずおめでとう生後半年!」

とりあえず隣の部屋に行きいそいそとスーツを脱ぐ。

「ひょっとしたらあなたが帰ってくるのを
 待っていたのかもしれないわね。
 オトウサン、オイワイシテーって」

嫁が背中越しにそんなことを言ったので思わず感激した。
だだーっとRに駆け寄り

「そうだったのか!待っててくれたのか!
 お前はいい子だなあヨシヨシ」

全力で抱きしめようかと思ったのだが

「ちょっとあなた!ぱんつ一丁で来ないで!
 ちゃんと着替えてからにしなさい!
 Rにいろんなものが見えてるわよ!」

嫁にズドーンと阻止されてしまった。
我に返って「いろんなもの」を確認する…。

ぎゃー。トランクスの横からはみ出してるし
後ろも変な風にまくれ上がってお尻が見えてるし

Rの教育によくないー!

慌てて隣の部屋に引っ込み着替えて
改めてRを抱擁する僕であった。

でも生後半年を半ケツで祝うお父さんがいても
おちゃめでいいだろう。

よくないか。





2004-02-13(Fri)

おっぱい飲んでも、ねんねしない。

僕がセットした目覚ましで娘・R(6ヶ月)も起きる。
Rが起きたら嫁も起きる。起きたら朝一発目の授乳である。

ちゅう~~。

Rは嫁の胸にしがみついてがぶがぶと飲んでいるのだが、
僕が物音を立てたり横を通り過ぎたりすると
ハッとして乳首をすぽんと口から抜き、僕のほうを向く。
そしてニッコリ笑う。どうやら僕が気になるようである。

「いいからいいから、お乳を飲みなさい、ね?」

僕がRの視界から外れるとRは再び乳をがぶがぶ。
しかしまた僕が通りかかると乳首をすぽん。
こちらを向いてニッコリ。

これの繰り返しだ。

Rの笑顔はとても可愛いのでつい僕もいないないばー、
などをして受けを狙ってしまう。すると

「もう、父じゃなくて乳に集中しなさい!」

嫁は乳児には分かりづらい言いまわしで
Rを授乳に集中させようとする。

「あ、寒いのか。すまん」

「うん」

肩と乳を出したままの嫁は凍えた顔をしていた。
中断されると辛いのである。
それでも僕は出勤前なのでドタバタしているので
そのたびにRがこっちを向いてしまう。
授乳と父観察の繰り返し。Rもなんだかせわしなさそうだ。

「Rは空腹と好奇心の狭間で戦ってるのね」

嫁は半分諦めた顔で言った。なるほどうまいことを言う。
これは乳と父の間に置かれたRの戦いなのだ。

この状態を「ちち狭間の合戦」といいます。なんつって。

乳の狭間なら僕も埋もれてみたい…。





2004-02-14(Sat)

026で99999(オフロデゴーキュー)~その2~

久しぶりに娘・R(6ヶ月)をお風呂に入れた。

Rが産まれてからしばらくは僕がお風呂係ということで
やっていたのだが、もう仕事が忙しくて午前様の帰りが続き
そんな時間までRを起こしておくわけにはいかないので
ここ数ヶ月はほとんど嫁が入れていたのだ。

「さあ!お父さんとお風呂だよーん!」

久しぶりにRのモチハダに触れられるぐへへ、と
勢いよく風呂場に飛び込んだはいいが
ちょいと洗顔しただけで

「ぎゃわーん」

R、おお泣き。おかしい。
以前ならウットリして身を任せていたのに。

おもちゃであやしてもだめ。おかしい。
以前なら持ち直したのに。

一旦風呂の外に出してもだめ。おかしい。
以前ならケロッと泣き止んだのに。

何やってもだめ!勝手が違う!
もうかつて僕が毎日お風呂に入れていた頃の
Rじゃない!

継続的に入れていなければだめなのだろうか…。

「もう万策尽きた…」

ろくに洗うこともできず力尽きた僕は
泣き続けるRを嫁に渡して風呂から出した。
そしてひとり浴槽にブクブク浸かり落ち込んだ。

なんだろう。この悲しさは。高校時代、たかこちゃんに
フラレた時と同じような悲しさだわ。

風呂からあがっても失恋したような感が拭えない。
そこに嫁がソーッとやって来て

「仕事が忙しいんだもん。時間的に無理なんだから
 しょうがないじゃない」

脇にコーヒーをカタンと置いた。
おおう。嫁は慰めてくれるのか。

「あ…あうあう」

何と返事をしていいか分からず
おずおずとコーヒーカップに手を伸ばした。

「あっ。まだ熱いよ」

コーヒーより目頭が熱いんだな…。





2004-02-14(Sat)

白い巨根

photo

「盲腸の手術の前に剃るわよーん」

などというプレイがあるのだろうかパイパン…。

2004-02-15(Sun)

戦闘ヴァレンタインデイ。

「ヴァレンタインにはロッテガーナチョコレートをくだちゃい」

と、いろんな人にリクエストしている僕である。

よく気合の入ったヴァレンタインチョコとして
銀座の有名な洋菓子店のチョコだとか
ゴディバだかアビバだかアジズアベバだか知らないが
えらく高いものを贈って来る女性がいる。

しかしその手のチョコにはたいがいアーモンドや
でろ~んとした変な「不純物」が中に入っている。
僕はそれが苦手だ。

僕は純粋なチョコが好きなのである。純トロならぬ純チョコ。
その中でも一番好みなのがガーナチョコレートなのであった。

そんなことをヴァレンタインが近づくと必ず
嫁に言っていたのだが、さて今年の2月14日。
嫁はニタニタしながら包みを持ってやって来た。

「はいっチョコ!これね、銀座の有名な洋菓子店の
 チョコでね…」

嫁ー!十年以上も言い続けてるんだから
いい加減分かってくれよー!
僕は口を尖らせて抗議したのだが

「いや、ワタシが食べてみたくって。
 さ、早く開けて」

十年も夫婦やってるとヴァレンタインも
見事におざなりになるもんだなあと悟った。
大学生の頃、頬を染めて上目遣いで僕にチョコを渡してきた
後輩の女の子。
まだ男も知らなかった当時の嫁(知らしめたのは僕だ)
その面影はいずこへ…。

僕がイマイチ不満げな顔をしていたのを悟ったのか、
嫁はチョコの包みを娘・R(6ヶ月)に持たせ、



「オトウサン、ワタシが買ったの。開けてみて(嫁の声)」

ぬうう。その手を使うとは卑怯なり。
ヤラセなのは重々承知なのだが

「R~ありがとう~お父さん嬉しいよ」

その姿の可愛さに負け、猫まっしぐらで受け取ろうとしたら



って、R、お前もか。お前も自分が食べたいだけなのか。

元々甘い物には目がない嫁なので、チョコを選ぶ際にも
いろいろと目移りしてしまったのだろう。
それを見極め切れなかった僕が浅はかであったようだ。

チョーコー チョーコー チョコチョコチョーコー♪
あーさーはーかーチョーコー♪





2004-02-16(Mon)

休日失禁。

来週引っ越してしまうお隣一家、ジェームス君(イングランド人)と
奥さん(日本人)と娘のサリーちゃん。

サリーちゃんは僕の娘・R(6ヶ月)と誕生日が1週間しか
違わない赤ちゃんである。

今夜はお隣一家をウチに招待し、お別れ前のお食事会を
する予定だったが…僕は思いっきり休日出勤で、
家に帰ってきた時には宴は既に終わっており
嫁がRを抱きながら布団を敷いていたのであった。
がっくり。

「ジェームス君がね、あなたと飲みたいって言って
 ワインとビールを買って来てくれたのよ…」

嫁はそう言って冷蔵庫の中のビールを見せた。
ごめんよジェームス君。僕も一緒に飲みたかった。
そして

「ウチのワイフが言ったのさ。
 そんなことでイングランドー!HAHAHA!」

ってイカしたアメリカンジョーク(イングランド人だってば)
をかっ飛ばしたかったのに。

娘・Rはというと、僕が帰ってくる直前まで泣いていたようだ。
眼の下に涙が残っている。嫁が言うには、
ジェームス君がサリーちゃんを「高い高い」していたのを見て
急に泣き出してしまったらしい。

「きっと、何でワタシのお父さんはいないのー!って
 悲しくなっちゃったんだと思うのよ」

なんですと!僕は早速Rをがばと抱き寄せ

「高い高ーい」

とやってみせると涙を残したままキャアキャアと笑顔を見せた。
ああ、本当に待ち詫びていたんだね…。
寂しい思いをさせてしまってゴメンよ…。

Rが寝静まった後、ジェームス君が残してくれた
ビールを一人寂しく飲む。やがてへべれけのセクハラ課長ならぬ
家長と化した僕は若い娘の肉体を求め

「Rちゃーんぐへへ」

寝床で熟睡中のRに抱きつく。

「げふっ」

僕の酒臭いゲップ。

「ふごおっ」

イビキで応戦するR。ぎゃっはっは。いいぞ我が娘。

はあ。寂しい。
無理矢理テンションだけが高い高ーい…。

僕は滅多に晩酌をしないのだが
結局ビール2リットル飲み干した。
おねしょしないように寝る前に
トイレ行こう…。





2004-02-17(Tue)

腹ほろひれはれ。

腹が出てきている…。

いや、決して出っ腹になったのではない。
僕は元々ガリガリの体型で腹付近は思いっきり凹んでいる。
何年か前に戯れに測ってみたスリーサイズは83-60-86であり
数字だけを見ればグラビアアイドルとしてデビューしても
おかしくはない。うふーん。

それがいつの間にかウェストのくびれと腹のへこみが
なくなりつつあることに気付いたのだ。

プラマイゼロになっただけであり、まだ太鼓腹ではない。
特にこのへんは自らの名誉のために記しておこう。

しかし腹に肉が付いてきたのは事実であり
これは肉体おじさん化の危ない兆候である。
いよいよ僕も名実共におやじになっていくのね…。

やがて腹だけではなく、鼻毛が長くなり耳毛が長くなり足が臭くなり
足だけじゃなく全体的に臭くなり顔が脂っこくなり糖尿になり
座るとき「よっこいしょーいち」と言うようになりオヤジギャグを
臆面もなく言うようになってしまうのだろうか。

ていうかそのうち半分ぐらい既に当てはまってるじゃん、ギャー!

おやじ化の波は思ったより急速に進んでいた。
恐ろしいことだ。何とか食い止めなければ。

僕は嫁に指示した。

「僕はダイエットする。家での飲み物はウーロン茶のみにする。
 もうコーヒー牛乳とかコーラは買ってこないように」

嫁が頷く前に隣で寝ていた娘・R(6ヶ月)が

「ぷしっ」

は、鼻で笑いおった。父には無理だと言いたいのか?
Rよ。君だって全身ムチムチプリプリのくせに!

それとも小錦並みの肉付きで風邪ひとつ引かない元気なRだからこそ
「ソンナコト気二スンナ」と言いたかったのかな?

僕は考えた。やっぱコーヒー牛乳好きだし。
いっそのこと父娘でデパラー(※)の道を歩み、
行き着くところまで行ったろか。

肉の流れに身を任せ。

嫁には愛想尽かされる恐れが大いにあるので
弟か妹ができる保障はないぞお。

※デパラー:出っ腹な人、の意。





2004-02-18(Wed)

ピロートーク。疲労トーク。尾籠トーク。

嫁を口説くのに苦労している。

「女房口説いてどうするつもり?」

などと言われそうだが勿論契るためじゃー。

娘・R(6ヶ月)が生まれてからというもの、嫁は育児に疲れ
夜はただひたすら眠いようだ。
だから布団の中で桃色ウフーンな雰囲気に持って行くのは
並大抵なことではない。

そんな嫁を見ると僕も夜の契りは控えざるを得ないのだが
そうは言っても我慢できない夜もあるわけで。
ぼくちん男の子だもん。

今夜も嫁の体をぶにぶに触りながら様子を伺った。
ほっぺたを撫でて

「ああ君の肌は綺麗だよ」

などと口説いてみる戦法を取ってみた。しかし嫁は

「Rのほうがほっぺたプニプニよ~」

と言って取り合ってくれない。

「そりゃそうなんだけどさあ」

僕は嫁から手を離してすぐ隣で寝ている
Rのほっぺたをプヨプヨと触ってみた。
うーむ。やっぱりRほっぺたは最高にハリがよい。

若い娘の肌はええのう…
いつの間にか嫁そっちのけで悦に浸っていたら

「ぎゃわああん」

しまった。プヨプヨし過ぎてRが目を覚ましてしまった。

「ゴメンよ、起こしちゃってゴメンよ」

Rを抱っこして慌ててあやす僕。
嫁を抱くつもりが娘になってしまったが
やがてRは僕の腕の中で眠りに落ちた。

「ふふ、成功だね」

嫁はそのさまを見ていた。

「成功したから性交しようよー」

「バカー!」

とにかく眠い嫁は難攻不落。
もうちょっと早い時間に勝負を仕掛けたほうが
いいのかもしれない。

今は何時だろうか、と時計を見てみる。

性交が1時をお知らせします。





2004-02-19(Thu)

奥様は鬼女。

嫁は娘を連れて児童館に行き、
「新米母親の集い」みたいなイベントに
参加しているという。

児童館職員による「革命的子育て方法」や「母親かくあるべし」
みたいなレクチャーを受けつつ母親達は

「ウチの子はもう立てるわ」
「ウチの子は何でも食べられるざます」
「ウチの子は源氏の血を引いておりますのよ」
「何よウチの子なんて産まれた途端に7歩歩いて天を指差したわ!」
「私なんて処女受胎なのよ!聖母なのよ!」

などと自分の子供を競い合う自慢しいの場なのかなあと思ったら

「今回はねえ、子供の名前の由来を発表しあったのよ。」

わりとゆるゆるの茶飲み話集会のようだ。
いいなあ。地味に楽しそうで。

っておい。

「嫁、まさかRの名前の由来を言っちゃったわけ?」

「もちろん」

「まじでっ」

「夫が近所に住んでる美少女に恋してまして、
 その子の名前をそのまま娘につけました、
 って発表したよ」

「ひいいいいい」

Rの名前は嫁の言うとおり、僕が愛してやまない
近所の美少女Rちゃんの名前からとった。
しかしこれは親にすら言っていないことだ。

「それをヒトサマに言うなよー!
 地域の児童館でしょ!近所の人もいるだろ!」

「いないよー。わたしの横にいた奥さんは
 ○○町に住んでるって言ってた」

「すぐ隣の町名じゃぼけー!」

もう僕はRをつれて近所を出歩けないじゃないか!
いつどこでその時の奥さんに見つかって

「あら、あれはRちゃんだわ。するとあの旦那さんが
 美少女の名前をそのまま付けちゃったという…?」

「いやーねえヒソヒソ…」

なんて影口叩かれたらたまらん。
恐るべきは主婦ネットワークなのである。
彼女たちの情報伝達の速さは時として
インターネットをも凌ぐ。
僕はあっという間に村八分である。

子供の施設だとばかり思っていた児童館は
子持ち奥様方の恐るべきサロンでもあったのだ。

寺の住職が命名した、とか適当に言っとけよ嫁…。

などと女房の愚痴を言い合える仲間が集う
「おじさんの館」も作ってくれないかなあ…。

あ、赤提灯でも行けって?





2004-02-20(Fri)

続・ピロートーク疲労トーク。

夜、嫁と契ろうとすると結構嫌がられる。
とにかく娘・R(6ヶ月)の育児に疲れて眠いらしい。

昔は断るにしても「いやーん」とか言って
可愛げがあったが最近は手を伸ばしても
速攻で叩き落されたりしてけんもほろろである。

育児とはこうも人を変えるものなのだろうか。

僕の誘いがよっぽどうざったいのだろうか
嫁は信じられないことを言った。

「あなたに付き合ってくれる
 もっと若くて可愛い子いるでしょう?
 ネットで口説かれたりしないの?
 体だけの割り切った関係でー、とか」

なんということだ。以前だったら女の子と
ふたりで飲みに行っただけで家を飛び出す勢いで
激怒していたのに。

まさか本心ではあるまいが、
疲れのあまり思いっきり投げ槍になっている。

育児とはこうも人を変えるものなのだろうか。

そりゃ嫁がそういう関係もアリってことを
承認してくれるのだったら、よーし僕もお言葉に甘えて
もう一花咲かせたるわ、という意気込みが…

っていけません。僕には娘と子供と長女が。

Rが横で寝ているのである。
彼女の寝顔を見てみると、やはり比類なき可愛さなのである。
R以上に心を奪われる女性なんて考えられませんわ。

それに…絶倫のため不倫しますなんて言っても
ノータリン扱いされるのがオチであろう。

だから不倫よりむちむちぷりんを選ぶ。

毎晩Rのプリプリのほっぺにちゅうして寝ることにしよう…。





2004-02-21(Sat)

不健康診断。

会社の健康診断だったが
僕はおそらくここ1ヵ月以上休んでない。

…健康もくそもあるかっ。

本当はこれだってぶっちぎりたかったのである。
山のようにある仕事を少しでも片付けたい。

しかし健康診断に行かないとなると、
会社に「理由書」を書かなければならず、
書類1通作成+ハンコ巡りツアーの仕事を
更に増やす羽目になる。行くも地獄行かぬも地獄。
あほな会社…。
理由なんて「忙しいから」これだけなのに。

結局死ぬ思いで朝一番に時間を作って行って来た。
そしてそのまま仕事仕事で深夜残業突入。

ふと気付くとオフィスには僕の他に同僚の女の子が
ひとりだけが残っており、その子は上目遣いで
僕のほうをモジモジチラチラ見ている。

「ん?どうしたの?」

「ええと、あのー。いやー」

彼女は顔を赤らめて口を濁す。
今、この場所には僕と彼女ふたりきり。

まさか…ネクタイをずり下げてシャツのボタンを外した
僕の胸元から見える鎖骨に男の色気を感じてしまい

「もう誰もいませんからただの男の女に
 なりましょう!」

なんて襲い掛かって来たらどうしよー!と思ったら
彼女はやっと口を開いた。

「実は私、そろそろ帰りたいんですけど
 kajilinさんひとりオフィスに残されて
 大丈夫かなあって」

「ぼ、僕子供じゃないもん!」

男じゃなくて子供に見られてたのかい!
この娘っ子ー!ぷんすか。

「いえ、そうじゃなくて、だいぶ疲れてるみたいですから
 誰もいないオフィスで倒れられたりしたら…と思って…」

どうやら男でもなく子供でもなく、ただの過労死寸前の
ボロ雑巾に見られていたようだ。

「そこまで心配しなくてもいいよ…」

「いいえ!それにですね、明日と明後日は土日で休みですから
 月曜の朝みんなが出てきて発見された時には
 もうほどよく腐乱して…」

「そこまでひどいこと言わなくてもいいじゃないかー!」

僕はもうこれ以上仕事する気力がなくなり、
トボトボと家に帰ったのであった。
そんなにひどく疲れている風に映るのだろうか…。

もし腐乱しちゃったら会社は「理由書」を
書いてくれるのかなあ。

パトラッシュ、もう疲れたよ…。

腐乱会社の犬。




2004-02-22(Sun)

サヨナラだけが人生じゃないぞ。

隣の一家がお引越し~。

イングランド人のジェームス君と日本人の奥さんと
娘のサリーちゃんの家族。

サリーちゃんは6ヶ月の赤ちゃんで、
うちの娘・Rと誕生日が1週間しか違わない。
その繋がりでせっかく仲良くなれたのに
悲しいことである。

特に嫁は子育て仲間の奥さんと離れるのは辛いだろう。
昼間は僕がいないし、だいぶ助かっているはずである。

朝からドタバタと引越し屋が出入りしていたので
ちょいと嫁といっしょにRを抱いて覗いてみた。

奥さんの母親らしきご婦人がいた。

「ども、隣の者です」

「まあ~ジャンボな赤ちゃんだこと!」

ご婦人はRを見るなり遠回しなようで
思いっきり直球ど真ん中な感想を述べられた。
R、また太ってるって言われちゃったようおうおう。

「おほほ、ちょっと待ってね」

やがてご婦人が奥さんを呼んできた。
奥さんはサリーちゃんを抱いていた。

「あれ、ジェームス君は?」

「仕事に行ってるの」

しまった。僕もこれから仕事だ。
ジェームス君にお別れできない~。

「そう、Rよ。お別れなんだよ。サリーちゃんと
 バイバイなんだよ」

僕はRをサリーちゃんと向かい合わせたが
Rはポカーンとしたままで、サリーちゃんはというと
キャアキャア笑っている。

…そうだよね。君たちはまだ分からないよね。

でも、お別れなんだよ。
お別れってとても悲しいんだよ。

普段どおりの彼女達を見て、なんだか僕のほうが
一層辛くなってきてしまった。
これから彼女たちにも幾つもの辛い別れと涙が
嫌というほど待っていることだろう。

でも君たちはまだ赤ちゃんだから
まだ知らなくていいんだよ。

「これからわたし、誰を頼って子育てして
 いけばいいのおおおおお!」

…それまでは嫁が代わって悲しんでくれるから。





2004-02-23(Mon)

ローリング娘。

娘・R(6ヶ月)が真夜中にハッスルしてしまった。

腹が減って夜泣きしたので嫁がモソモソと起きて授乳したのである。
普段だったらRは満腹になって再び眠りに落ちるのだが、
この日は授乳後キャーとか声を上げて
布団の上でジタバタと元気になってしまった。

嫁からすれば早く寝てくれ、というのが本音だろうが
僕は仕事帰りが遅いのでいつもRの寝顔しか見れないから
密かに嬉しかったりする。

だから僕もしばらくはRに付き合って一緒に
遊んでいたが、いつまで経っても寝ようとしない。

さすがに僕もいい加減眠くなってきた。
嫁も眠そうな顔をして困っている。

「こうなったら寝たふりをしよう」

僕と嫁はそう言い合わせて

「Rちゃん!お父さんもお母さんも寝ちゃいますよ~。
 だからRちゃんもおやすみ~!」

Rに布団をかけて僕らも布団の中に潜り込んだ。しかし
目をつぶっていてもRの声や物音が聞こえてくる。

うきゃー。あうー。もそもそ。ばしばし。

…一体何をやっているのだろうか。気になって眠れん。
遂には壁をドンドンする音が聞こえてきたので
たまらなくなりガバと起きてRを見てみると…

「ね、寝返ってる!」

いつの間にか寝返って四つんばいになっており、
馬のように足で壁を蹴っていた。

Rはまだ寝返りだけで進むことは出来ないのだが
それでもこの格好じゃいつまで経っても寝ないだろう。

「なんでそんなに無闇に元気なんだよー!
 夜だから寝るんですよ~、ハイオヤスミ」

僕は四つんばいのRを持ち上げ仰向けに寝かせたのだが
すぐさまゴローン。

「また寝返りおった!」

Rはとにかく寝たくないらしい…。
もう頭がクラクラして来た。
慢性的に睡眠不足なのである。

睡眠を妨げる敵としては仕事とネットが主だが
Rも強力な要因となってしまうのか。

「君は本当に寝返りが好きだなあ。
お父さんは歴史モノが好きだから
君のこと明智光秀って呼んじゃうよ?」

と、Rに言ったところで勿論通じるはずはなく
ただキャアキャアとはしゃぐのみであった。
寝るまで腹を括って付き合うか…。

敵は乳幼児にあり。





2004-02-24(Tue)

維新伝心。

明け方の4時半、僕は安らかに眠っていたのに

「どわあああ」

娘・R(6ヶ月)に髪の毛を引っ張られて起こされた。
父を乱暴に起こした娘はそれからごろーんと寝返って
四つんばいになり、僕と目が合うと「えへへ」とか笑っている。

何故そんなにテンションが高いのだ。
お父ちゃんは眠いのよ…。

昨晩もゴロゴロしまくって寝る気配が全くなかったので
寝付くまで見ていたのだが、今朝は無理矢理起こされて
さすがに辛く「もう好きにせい」と寝直すことにした。

目をつぶる…。全く物音がしない。

昨晩はRが暴れる物音が激しく聞こえてきたが、
これはおかしい。無音なのも逆に気がかりである。

結局ガバと起き上がりRを見てみると…

うつ伏せに倒れているー!動いていないー!

突っ伏したまま窒息…最愛の娘が…親の放置…保護者の監督責任…
頭の中をいろんなものが駆け巡り

「Rー!」

慌てて抱き上げようとしたら

「しゅぴー」

ね、寝息だ…。Rはいつの間にか
うつ伏せで眠れるようになっていた!
四つん這いで一人遊びしている内に眠くなり
そのままボテっと寝落ちしたと思われる。

まさに本能のまま生きる娘・R。
逞しく成長しているようだ。

たとえ倒れる時でも前のめりに倒れたい、
ってお前は坂本龍馬か。

日本の夜明けは近いぜよ!

と、Rは僕を明け方に起こしたかったのかもしれない。

勘弁してぇ。





2004-02-25(Wed)

昼サラリーマン。夜サカリーマン。

嫁が問診票を一生懸命書いている。

保健所の案内で娘・R(6ヶ月)が無料で受けられる
赤ちゃん向けの健康相談があるのだという。
保健所って意外とサービスいいんだなあ。

食中毒起こした店のガサイレや犬猫の捕獲といった
ダークな仕事のイメージしかなかったのだが
赤ちゃんには優しいようである。

「あなた、何かお医者さんに聞いておきたい
 心配事ある?」

うむ。Rに関して不安なことといえば

少し太り過ぎじゃないかとか、
髪の毛がいつも立ってて天然パーマならぬ
天然パンクスであることとか、

将来僕好みの美少女になってくれるだろうか、とか
いつまで僕と一緒に風呂に入ってくれるだろうか、とか
将来家に連れて来た彼氏を父親がぶった斬っても
罪に問われない法律を早く作って欲しい、とか

いろいろあるけど…。おおそうじゃ。
大真面目な不安ごとがひとつあった。

「頭…だな」

「そうね、頭よね」

実はRの頭はオデコの左上の辺りが少しへこんでいるのだ。
ぱっと見は分からないが触ってみると滑らかな球体では
ないことに気付く。

出産の時に吸引してしまったからいびつになってしまった、
と嫁はオイオイ嘆く。僕も脳の障害やら将来Rのコンプレックスに
なってしまったら…などと不安に思うのだ。

「成長するにつれて形が整っていくといいんだけどな」

「そうね。それを聞いてみるわ」

「それともうひとつ、僕には心配事がある…」

「何よ」

「娘が生まれてから嫁が夜の契りに
 応じてくれません」

「バカー!Rの心配事じゃないでしょ!」

「うるさい!育児に関する心配事だ!さあ書け!」

「分かったわよ。だったら私も
『夫がサカリつき過ぎ』って書くから」

「すまん。僕が悪かった。頼むからやめてくれ」

そんなんじゃ僕はサカリのついた犬かなんかかである。

もし僕の日記がこれ以降途絶えてしまったら
保健所に捕獲されたと思ってください。





2004-02-26(Thu)

桃の節句。嫁は絶句。

今夜も深夜帰宅である。そして

「すまん、嫁。今週もまた土日出勤になりそうだ…」

「ええええええええ」

嫁が一気に落胆した顔になった。
今度の日曜日は娘・Rの初節句をやるつもり
だったのである。嫁も前から

「今度の日曜日は絶対休んでよね!」

と念押ししていたである。

「ごめん。どうしても無理だ」

「Rの初節句なのに…」

嫁は落ち込んでしまった。分かっている。
初節句が如何に大切かということが。
初せっくすと同じぐらい人生の大切な節目だ。

僕だって甘酒飲みながらお祝いしたいよう。

しかし…どうにも仕事が終わらない。
いくらやっても逆に溜まる一方なのだ。

そんな気配を察したのか、寝ていたRが

「ふぎゃああ」

と泣き出してしまった。

「ごめんよー。ふがいないお父ちゃんでごめんよー」

いっしょに雛祭りできない分、せめてダッコを…と
Rを抱き上げあやすのだがRは一向に泣き止まないのであった。

僕まで泣きたくなってしまった。

明かりをつけましょ、(´・ω・`)ションボリに。





2004-02-27(Fri)

夫婦WEB日記バトル。

嫁もWEB上のどこかで日記を書いている。

読むと気が滅入ることが多いので
僕はしばらく読んでいないが
どんなことを書いているか気にならないでもない。

夜、僕が仕事から帰ると嫁がノートパソコンに向かって
コトコトと熱心にキイを打っていたので
そーっと覗き込んでみたら

ばたん。

いきなりパソコンを閉じ

「あ、あなた、これ書いて」

区役所に出す印鑑登録の委任状とやらを渡された。
うまくかわされたような感じであるが…。

えーと、僕の印鑑登録をするのに必要な書類一式。
お役所が開いてる時間に僕が行くのは不可能なので
嫁が代わって行ってもらうのだ。

印鑑登録をするための申請書。
印鑑登録を申請することを嫁に託す委任状。
印鑑登録証を受理することを嫁に託す委任状。

…みごとなお役所仕事である。
1枚にならんのか1枚に。

面倒ながらせこせこと書類を書き上げて
嫁に託し、その後、嫁のノートパソコンを
ポンポンと叩いて

「こっちも書いてやろうか?」

嫁の日記にダジャレの一発でも
ラクガキしようかと思ったら

「やだ!私の日記はコッソリ書いてるの!」

どーゆー意味だ。
僕は派手に書いてるとでも言うのかい。

ともかく日記の委任状は書いてくれないようである。

そんな訳で、もし嫁の日記を見つけたとしても
知らないフリをしていただきたい。

僕が教えることもできないので…。

委任状どころか
離縁状を叩きつけられます。たぶん。





2004-02-28(Sat)

ショッキングショッピング。

また今週の土日も休日出勤である。

本当は買い物に行きたい。
欲しいものがいっぱいある。

本も買いたいし、僕はオサレなので
イカシタ、若しくはイカレタ春物の服も欲しいし、
娘・R(6ヶ月)と一緒に遊ぶおもちゃも買ってあげたい。

でも毎日深夜帰りの僕は家に帰る途中に
コンビニで煙草を買うことぐらいしか出来ない。

家と会社の繰り返しで身も心も腐っている。
コンビニに入っても、まるで
あなたとゾンビにファミリーマートである。

今日も終電近い電車から吐き出され
煙草が切れていることに気付き駅前のコンビニに入る。

真夜中まで仕事して残業代を稼いでも
煙草を買うぐらいしか使う機会がないこの虚しさよ。

おおそうじゃ。せめて煙草はカートン買いしてみよう。
せめてもの贅沢だ。そう思って

「セブンスターのメンソール。カートンで」

わりと可愛い店員の女の子に告げた。彼女は

「ライターをおまけしましょうか」

えへへ、とキュウトに笑った。

「く、ください」

僕はドギマギして答えると女の子店員は
ポンと袋にライターを入れてくれた。

あああそのライターで僕のハートに火をつけてクレー。

煙草1カートンとライターの入った袋を
抱えて悶絶してしまった。

深夜残業の疲れも少しは癒されたようである。

カートンがー夜なべーをして~。





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